トラ吉覚さん、ホームケアの方法をきちんと説明しているのに、お客様がやってくれないことってありますよね?
せっかく伝えたのだから、あとはお客様次第ではないのでしょうか?



私も、伝える側にいるとそう考えてしまうことがあります。
でも8月17日に腰の治療を受ける「お客様側」になって、自分自身もまったく同じことをしていると気づきました。



最初はちゃんとやっていたのに、だんだんやらなくなっていたんですね。
今回は美容師ではなく「お客様の立場」になったことで見えてきたことを振り返ります。
2026年8月17日は、スタッフさんが不在の一人営業の日でした。予約が入っている時間は、目の前のお客様にできるだけ集中しました。予約が空いている時間は、9月からの求人広告や、別事業として進めているクライアントのLP(ランディングページ、1ページで完結するホームページのこと)修正など、店の未来につながる仕事を少しずつ進めていました。
16時頃に営業を終えたあと、私は腰の治療のために治療院へ向かいました。ここが今日の記事の中心になります。治療院に着いた瞬間から、私はもう美容師でも経営者でもLP制作者でもなく、完全に「サービスを受けるお客様」でした。
治療を受けている間、以前教えてもらった自分でできるケアを、最近ほとんどやれていない自分に改めて気づきました。最初のうちはちゃんとやっていたのに、痛みが少し楽になるとだんだん優先順位が下がり、いつの間にか「また治療へ行けば何とかしてもらえる」という気持ちになっていました。
その瞬間、頭に浮かんだのは、普段美容室で私がお客様へお伝えしているホームケアの話でした。「あれ、これ、美容室のお客様も同じなのかもしれない」と、正直、少し恥ずかしい気持ちになりました。
「ホームケアをしてください」と伝えるだけなら簡単です。でも、自分がお客様側になってみると、最初は頑張れても、良くなるほど少しずつやらなくなる気持ちがよく分かりました。伝えることだけでなく「どうすれば続けてもらえるか」まで考えることも、プロの仕事なのかもしれません。
一人営業の日。目の前のお客様へ集中する
スタッフさんがいない一人営業
8月17日は、スタッフさんが不在で、私一人で店にいる日でした。予約が入っている時間帯は、いつも通り、目の前のお客様の施術に集中しました。
一人営業の日は、電話対応、レジ、清掃、次のお客様の準備なども、すべて自分で行うことになります。お客様一人ひとりに丁寧に向き合いつつ、店全体のことも同時に頭に置いておく、いつもより少しだけ気を張る一日でした。
予約がない時間には売上が少し気になる
正直に書くと、予約が空いている時間帯は少しそわそわします。一人で店にいると、空席や、静かな空気そのものが目に入りやすくなるからです。
「今日、この時間帯はもう少し予約を入れたかったな」「もう1名でも来店してもらえていたら」という考えが頭をよぎることもあります。経営者としての気持ちが、こういう時間には少し強く出てきます。
だから空き時間を未来の仕事へ使う
ただ、空き時間をぼんやり過ごしていても、その日の売上は変わりません。逆に、空き時間を「未来の売上」につながる仕事へ使うことはできます。
この日、空き時間には、9月からの求人広告の準備、AIの使い方の勉強、クライアントLPの画像修正などを少しずつ進めていました。「休んでいる暇がない」と美化したいわけではなく、現場の売上と未来の売上の両方を作っている、今の自分のリアルな状態として残しておきたい部分です。
営業の裏では、求人ショート動画とAIについて調べていた
Meta広告用30秒動画を検討
この日、空き時間に考えていたことの一つが、Meta広告(FacebookとInstagram(インスタグラム)へ配信できる広告のことです)で使う、30秒程度の求人用ショート動画のことでした。9月からの求人広告へ向けて、次に必要な素材の一つとして検討しています。
この短い動画を作るにあたって、AIで「企画」「構成」「台本」「テロップ」「撮影する内容」「編集指示」などを、どこまで整理してもらえるのかを確認していました。まだ本番の動画を作ったわけではなく、あくまで「どこまで任せられそうか」を調べた段階です。
チャットとWorkの違いも確認した
その流れで、ChatGPTの通常「チャット」と「Work」の違いについても、少しだけ調べました。求人や自店のLP、動画制作といった、今抱えている仕事のどこにどう組み合わせられそうかを、自分の頭で整理したかったからです。
機能そのものを詳しく解説する記事にはしません。ここでの結論は、「AIの使い方を知ること自体が目的ではなく、今の仕事のどこに使えそうかを考える方が大事だ」というくらいの感覚です。
知識を入れるのも、未来の仕事
こうした情報を集めても、この日すぐに売上が上がるわけではありません。ただ、経営者の仕事には、目の前の売上にはならない勉強も含まれていると思っています。
「こういう道具がある」「こういう使い方がありそうだ」と知っておくことで、あとから求人やLPの仕事を進めるとき、自分の時間を少しだけ短くできる可能性が出てきます。
午後はクライアントLP。見えないところで地味な修正を進める
口コミ画像をトリミングして3枚ほど交換
営業の合間には、別事業として進めているクライアントのLP修正も進めました。Googleドライブに共有されていた新しい素材から、口コミ投稿の写真を確認し、ページ全体のバランスを見ながらトリミング(必要な部分だけを切り抜く作業)しました。
そのうえで、既存の口コミ画像から3枚ほどを、新しい画像へ差し替えました。
巻き爪写真も差し替え
あわせて、巻き爪に関する写真も、新しく共有された画像へ交換しました。ここは差し替える対象がはっきりしていたので、私の側で判断に迷う場面はほとんどありませんでした。
分からない部分は勝手に決めない
一方で、LP内には他にもビフォーアフター写真がありました。今回、新しいビフォーアフター写真も共有されていたのですが、既存ページのどの写真と交換する意図なのかは、私には判断がつきませんでした。
そこで、「分かる部分だけ先に進めた」ことをまとめたうえで、その他のビフォーアフターについては「この画像を、既存のこの画像と交換」という形でクライアントへ指定をお願いしました。
店を前へ進める仕事は、大きな意思決定だけではなく、こうした細かい確認や修正の積み重ねでもできています。



こういう細かい画像修正や確認までオーナー自身がやっていると、経営の時間がなくなりませんか?



そこは今後もっと任せていきたい部分です。
ただ今は、自分で経験しながらどこなら任せられて、どこは自分が判断するべきかを学んでいる途中でもあります。
営業後、腰の治療へ。今度は私がお客様になった
腰の痛みは以前よりかなり良くなった
16時頃に営業を終えたあと、腰の治療のために治療院へ向かいました。ここからが、今日の記事の中心のお話です。
腰の症状は、以前に比べるとかなり良くなってきています。医学的な細かい話はできませんが、少なくとも「動くのがつらい」と感じる場面はずいぶん減りました。
治療院から家でできることも教えてもらっていた
もともと通い始めた頃には、治療院から「家でできること」「自分で続けてほしいこと」も教えてもらっていました。日々の中で自分自身が取り組む部分と、治療院で対応してもらう部分を、両方合わせて回復を目指す、というイメージだったと理解しています。
始めた当初は、私も比較的まじめに、教えてもらったことを続けていました。
最初はやっていた。でも、やらなくなった
ところが、時間が経つにつれて、私自身の行動は少しずつ変わっていきました。振り返ると、こんな流れです。
最初のうちは、教えてもらったことをしっかりやっていました。痛みも強かったので、「これをやらないと良くならない」という気持ちがあったのだと思います。
少しずつ症状が楽になってくると、「今日は疲れているから、明日にしよう」という日が増えていきました。楽になった安心感の分だけ、優先順位が少し下がっていった感覚があります。
そのうち、日常の忙しさに紛れて、自分でやるケアはほとんど後回しになりました。頭の片隅には残っていても、実際にやる回数は明らかに減っていました。
そして最終的に、この日の治療院での自分は、正直に言えば、「治療院へ行けば何とかしてもらえる」という感覚に近い状態になっていました。
「あれ?これ、美容室のお客様と同じじゃないか」と思った
美容師としては「やってください」と言う側
治療を受けながら、頭に浮かんだのは、普段美容室で私自身がお客様へお伝えしていることでした。
髪の乾かし方、ホームケア、シャンプーの使い方、アイロンやスタイリングのポイント、次回来店までの過ごし方。美容師である私は、いつもお客様に対して「これをやってください」「これを気をつけてください」とお伝えする側です。
しかし治療院で私は、まったく同じ立場で「やってください」と言われてきた側でもあり、そして今、その多くをやれていない側でもありました。
でも自分がお客様になると、続かない理由が分かった
自分自身の変化を追いかけてみると、「なぜお客様がホームケアを続けられないのか」の一部が、少しだけ実感として分かった気がします。
症状や悩みが強いうちは、必死にやります。「なんとかしたい」という気持ちが強いからです。
状態が良くなってくると、必死さが少し薄くなります。「今のところ困っていない」と、無意識のうちに安心してしまうのだと思います。
毎日の生活の中では、他にもやることがたくさんあります。仕事、家族、家事、健康、お金。ホームケアは、その中の一つでしかありません。優先順位が少しでも下がると、実行される回数は目に見えて減ります。
そして「困ったらまたプロへ行けばいい」という気持ちが生まれます。プロがいるという安心感そのものが、日々のケアを後回しにする理由にもなってしまう、と気づきました。
「伝えたのに、なぜやらないの?」という見方を変えたい
普段、美容師の目線で見ていると、「あれだけ丁寧に説明したのに、次回来店したときには全然できていない」と、少し残念な気持ちになることがあります。
でも今回、私自身が「教えてもらったのに続けられていない側」に立ってみると、その気持ちだけでお客様を見ることは、少し違うのかもしれないと感じました。
自分自身が続けられなかった経験をすると、「伝えたのだから、あとはお客様の責任」と簡単には考えられなくなりました。
プロの仕事は「伝える」までではなく、「続けやすくする」までなのかもしれない
全部やってください、では続きにくい
ここから少しだけ、美容師側の話へ戻します。
お客様にホームケアを続けてもらうために、多くのことを一度に伝えすぎている可能性があるな、と自分でも思いました。乾かし方、シャンプーの選び方、アイロンの使い方、生活の注意点、次回来店までの過ごし方。全部を「同じ大切さ」で伝えると、たぶん、ほとんどが記憶に残らないままお店を出ることになります。
一つだけなら何をやってもらうか
もし、一つだけ選ぶとしたら、そのお客様にいちばんやってほしいことは何か。「全部」ではなく、「まずこの一つ」と優先順位を付けるような伝え方の方が、続けてもらえる可能性は高いのかもしれません。
具体的な美容施術の話には踏み込みませんが、今の私は、お客様ごとに「今回はまずこれ一つ」と絞って伝えることを、もう少し意識してみたいと感じています。
次回来店時に確認する
そして、次に来店してくださったときには、「やってみてどうでしたか」「難しかったところはありませんでしたか」「無理なく続けられそうですか」と、少しだけ確認する時間を作りたいと思いました。
これは、「できていましたか」と管理するためではなく、続けやすい形へ一緒に近づけていくための確認です。もしできなかったなら、その理由を一緒に考える、というくらいのイメージです。
ホームケアをしてもらうために必要なのは、「やってください」と言うことではなく、お客様が日常の中で無理なく続けられる方法まで一緒に考えることなのかもしれません。
【自店に置き換えて考える:お客様の立場】
・自分なら、そのホームケアを毎日続けられるでしょうか?
・最初はできても、状態が良くなったあとも続けられそうですか?
・できなかったとき、どんな言葉をかけてもらえると、また始めやすいでしょうか?
私自身も、今回の腰のケアで正直に「続けられていなかった」と感じた問いです。



でも、お客様自身がやらなければ、結局美容師側ではどうしようもない部分もありますよね?



それはあると思います。
でも今回、自分自身が「やらないお客様側」になったことで、その難しさも分かりました。
だから私は、お客様にしかできないことと、美容師側が工夫できることを分けて考えたいと思っています。
プロだけでも、お客様だけでも結果は作れない
美容師側が責任を持つこと
今回の体験から、美容師側とお客様側の役割を、いまの自分の感覚で少しだけ整理してみました。
まず、美容師側が責任を持って行うべきだと感じたことです。
【美容師側が責任を持つこと】
・髪の状態をきちんと見る
・必要な施術を丁寧に行う
・なぜそのケアが必要なのかを説明する
・ホームケアを分かりやすく伝える
・次回来店までの道筋を示す
・必要に応じて、伝えた内容を見直す
お客様にしかできないこと
一方で、お客様の側にしかできないこともあります。ここは、美容師がどれだけ頑張っても代わりにやってあげることはできません。
【お客様にしかできないこと】
・自宅でできる範囲のホームケア
・日々の髪の扱い方
・できなかったことを、正直に相談する
・無理のない範囲で、続けようとしてみる
どちらかを責める関係にしない
大切なのは、どちらかを責める関係にしないことだと感じました。
美容師側が「やらないから悪い」と考えてしまうと、お客様は次から相談しづらくなります。逆に、お客様が「美容室に行けば全部直る」と思ってしまうと、日々の中で自分の髪と向き合う機会が減ってしまいます。
美容室で良い状態を作ることは、美容師だけの仕事でも、お客様だけの責任でもありません。お互いができることを持ち寄って、次回来店までの髪を一緒に作っていく関係が理想だと思いました。
【自店に置き換えて考える:伝え方】
・「やってください」で説明を終えていませんか?
・一度に伝える内容が多すぎませんか?
・そのお客様にとって、いちばん大切な一つを伝えられていますか?
・次回来店時に、その一つを一緒に振り返れていますか?
私自身も、これから意識していきたい問いです。
次回予約を提案されなかったことで、プロの姿勢についても考えた
本当の理由は分からない
ここからは、少しだけ慎重に書きます。この日、治療院では、次回予約を強くすすめられることはありませんでした。
その理由について、治療家さんから直接お話を伺ったわけではありません。ここからは、私自身の勝手な受け止め方であることを、はっきり書いておきます。
売上だけを追うなら、毎回予約を取ることもできる
もし「とにかく毎回、次の予約を取ってもらうこと」だけを目的にするなら、次回予約を強くすすめる選択もできたはずです。
でも、この日はそうではありませんでした。私はそこから、「こちらだけが施術を続けることに、本当に意味があるのかを、プロとして考えているのかもしれない」と、勝手ながら受け取りました。もう一度書きますが、これは相手の意図として断定できることではありません。
美容室でも、お互いに合う関係を大切にしたい
この経験から自分の店に戻して考えると、美容室でも似たようなことがあるかもしれない、と思いました。
これは、「合わないお客様を切る」という話ではありません。店が大切にしている考え方と、お客様が望んでいることと、一緒に目指したいゴールが近い関係を、長く作っていきたいという話です。
もし方向性が大きくずれる場合は、どちらが悪いということではなく、そのお客様には別の選択肢の方が合うこともあると思っています。
表ではお客様の気持ちを学び、裏では未来の店を作っていた
この日も、営業だけをしていたわけではない
ここで一日を振り返ってみます。
8月17日は、表面的には「一人営業をして、そのあと腰の治療へ行った日」です。でも、その裏側では、求人広告の準備、AIの使い方の勉強、ChatGPTのチャットとWorkの違いの確認、クライアントLPの画像修正、そのクライアントへの確認、といった仕事も少しずつ進んでいました。
すぐ売上にならない仕事の方が多い
正直に書くと、この日進めた「裏側の仕事」のほとんどは、その日の売上にはつながりません。
求人動画を検討したからといって、今日すぐに応募が来るわけではありません。LPの画像を差し替えたからといって、今日すぐに自店の売上が増えるわけではありません。ChatGPTの使い方を勉強したからといって、今日の利益が増えるわけでもありません。
ただ、これらは将来の採用、集客、新しい事業、そして自分の時間へつながる可能性があります。今日の売上にはならないけれど、半年後、1年後の店を作るための仕事だと思っています。
今は現場と未来の両方を作っている途中
私はまだ、現場を完全に離れて経営だけをしている状態ではありません。
お客様を担当する。空き時間に未来の仕事を進める。営業後には、自分自身がお客様側になって学ぶ。そしてその学びを、また店へ戻す。この循環の中にいるのが、今の私です。
今の私は、現場から逃げるために経営をしているのではなく、現場で得た気づきを使って、少しずつ未来の店を作っている途中です。
【自店に置き換えて考える:経営者の裏仕事】
・今日行った仕事のうち、すぐには売上にならない仕事は何でしたか?
・その仕事は、半年後・1年後の店につながっていますか?
・現場の空き時間を、未来の仕事へ少しでも使えていますか?
私自身も、営業に追われる日ほど、忘れないようにしたい問いです。
未来の自分への経営メモ
【未来の自分への経営メモ】
・サービスを提供する側だけの目線にならない
・自分がお客様になったときの感覚を忘れない
・ホームケアが続かない人を、簡単に責めない
・自分自身も、続けられなかった
・「伝えた」で仕事を終わらせない
・お客様が続けやすい方法まで一緒に考える
・一度に全部を求めない
・お客様にしかできないことも、丁寧に伝える
・美容師側の責任も、きちんと果たす
・双方で良い結果を作るという意識を持つ
・お互いに合う関係を、長く作っていく
・一人営業でも、空き時間を未来へ使う
・すぐ売上にならない勉強も、経営者の仕事の一部
・AIは、仕事を進めるための道具として使う
・クライアントにしか分からないことは、勝手に判断せず確認する
・細かい作業も、未来の店づくりの一部
・現場で得た経験を、未来の仕組みに変えていく
2026年8月17日は、一人営業で目の前のお客様へ集中し、空き時間には求人動画やAI、クライアントLPなど、店の未来につながる仕事を少しずつ進め、営業後には自分自身がお客様側となり、教えてもらったホームケアを続けられていなかった自分に気づいた一日でした。
美容師としてお客様に何かを伝えていると、「なぜやってくれないんだろう」と思うことがあります。でも、自分がお客様になってみると、続けられない気持ちがよく分かりました。だからこそ、これからは施術するだけ、伝えるだけではなく、お客様と一緒に続けられる方法を考える美容師でいたいと思います。その裏では、少しずつ未来のお店を作る仕事も続けていきます。



美容師としてお客様へ説明するだけでも大変なのに、続けてもらうところまで考える必要があるのでしょうか?



全部を美容師が背負う必要はないと思っています。
ただ、自分がお客様側になってみて、「やってください」と言われただけでは続けるのが難しいことを実感しました。
だからこそ、相手にお願いすることと、こちらが工夫することの両方を考えたいです。



サービスを提供する側だけでは分からないこともありますね。
自分がお客様になった経験が、また美容室でのお客様との向き合い方へ戻っていくんですね。