求人を作り込んで気づいた。「応募を集める準備」と「採用できる会社づくり」は別だった

トラ吉

覚さん、求人原稿も求人LPもできてきたなら、あとは広告を出して応募を待てばいいのではないでしょうか?
条件も整ってきているなら、そのまま採用を進めても大丈夫そうですが?

タカシナ カク

私も、求人を作り始めたときはそう考えていました。
でも求人LPを作り込むほど、「求人を出せる状態」と「新しいスタッフさんを安心して迎えられる状態」は別だと感じるようになりました。

うさ美

応募してもらうところまでではなく、その後に長く働けるかまで考える必要があるんですね。
今回は、求人を作ったからこそ見えてきた「採用前の課題」を振り返ります。

2026年8月14日は、夏休みの最終日でした。

この日は、妻の実家に滞在していた家族より一足先に、私だけ自宅へ戻る予定でした。

お昼過ぎ、リビングでコーヒーを飲みながら、この夏休み全体を振り返っていました。

今回の夏休みは、完全に仕事から離れていたわけではありません。しっかり休んだ日もあれば、家族と過ごした時間もあり、そして少しだけ仕事を進めた時間もありました。

その中でも、求人関係については、想像していた以上に前へ進めることができました。

具体的には、リジョブの求人内容をかなり作り込み、Hot Pepper Beauty Workの求人も大幅に整理し、あわせてルコール専用の求人LPの制作にも着手できました。

「LP」というのは、ランディングページの略で、一つのテーマだけを深く伝えるための1ページ完結型の紹介ページのことです。

採用活動としては、確かに前進した夏休みでした。

ところが、求人LPを作り込んでいるうちに、私の中に別の疑問が浮かんできました。

「今、本当に新しい人を迎えられる店になっているだろうか?」という疑問です。

求人広告を作ることは「応募してもらう準備」です。でも、本当に必要なのは、入社した人が安心して働き、売上を作り、長く続けられる「受け入れる準備」まで整えることだと気づきました。

目次

夏休み中、求人が思った以上に前へ進んだ

リジョブとBeauty Workをかなり作り込めた

夏休みの合間に、求人媒体2つの内容を大きく見直しました。

リジョブでは、求人ターゲット、働き方、給与、休日、店の特徴を一度全部書き出して、改めて並べ直しました。

Hot Pepper Beauty Workについても、同じように内容を整理し、応募してくださる方が読んだときに、迷わず「どんなお店で、どんな働き方なのか」がイメージできるように直しました。

まだ完成ではありませんが、求人原稿としては、かなり形になってきたと感じています。

特に、「誰に来てほしいか」を自分の中で言葉にしたことは、大きな変化でした。

ターゲットが具体的になると、求人に書く言葉も自然と変わってきます。

求人LPにも着手した

求人媒体だけでは、伝えきれないこともあります。

例えば、ルコールで働く毎日の空気感、将来どういう形で働けるのか、なぜこの環境を作ろうとしているのか、といった部分です。

そういった内容を、応募を検討してくれる方へじっくり伝える場所として、求人LPの制作にも着手しました。

まだブラッシュアップが必要な段階ですし、公開できる完成度ではありません。

それでも、求人LPを作りながら考えたことが、この夏休み全体で一番大きな学びになりました。

求人を作り込んだら、逆に「まだ足りないもの」が見えてきた

求人に書く内容を、自分自身へ問い返した

求人LPで書きたかったのは、例えば次のような内容でした。

・安心して働けます

・長く働ける環境があります

・スタッフさんが自分の売上を伸ばせます

・オーナー不在でも現場が回ります

・ルールが分かりやすい店です

書きたい言葉としては、どれも自分が目指している方向そのものです。

ただ、書き進めるほどに、「本当に今の店は、その状態になっているのか?」という問いが自分の中で大きくなっていきました。

求人へ書くつもりの一文と、現在のお店の実態が、一致していない部分があると感じたのです。

条件を作るだけではなく、実態をそろえる

少し前、8月10日ごろにも似たことを考えていました。

そのときのメモには、「求人では、書かれている条件が本当にその通り運営されているかを、証明することの方が大切だ」という趣旨のことが残っています。

求人広告は、条件を並べるだけならいくらでも作れます。

ただ、応募してくれた方が入社したあと、「求人と現場が違う」と感じてしまえば、その方は長く続けてくれません。

だからこそ、求人へ書く条件と、店の実態を一致させることが、遠回りに見えて一番の近道だと感じています。

求人を作る作業は、求職者へ店を説明すると同時に、自分自身の店を点検する作業にもなっていました。

「今すぐ採用すること」がゴールではない

2027年1月から逆算して考える

私は今、目安として2027年1月頃の採用を考えています。

この時期を意識しているのは、繁忙期や新年度のリズムを踏まえて、無理なくスタッフさんを迎え入れられるタイミングを選びたいからです。

もちろん、この時期は現時点での目安です。状況によって前後する可能性はあります。

ただ、この目安があるからこそ、今から採用日までの3〜4か月をどう使うかを、逆算して考えられるようになりました。

応募数より、入社後を考える

採用活動というと、どうしても「応募を何件集められるか」「そのうち何人採用できるか」に目が向きがちです。

もちろん、応募をいただけなければ採用は始まりません。

ただ、応募が来て、面接をして、採用を決めて、入社してもらうところまでは、あくまで採用活動の入り口です。

本当に大切なのは、その後です。

入社した方が、自分のお客様を少しずつ増やし、リピートにつながり、売上が安定し、給与が上がり、無理なく働き続けられる。

この一連の流れが成立して、はじめて採用が「成功した」と言えるのだと思います。

採用成功は「一人採用できたこと」ではなく、その人が入社後に安心して働き、自分のお客様を増やし、長く続けられるところまで含めて考えたいと思っています。

トラ吉

でも、準備が完璧になるまで待っていたら、いつまでたっても採用できないのではないでしょうか?

タカシナ カク

そこは私もそう思います。
完璧になるまで待つつもりはありません。
ただ、今すでに見えている大きな課題を放置したまま人数だけ増やすことは避けたいと思っています。

採用前に、今いるスタッフさんの売上をもっと伸ばしたい

まず現在働いてくれている人が成長できる店にする

新しい人を採用する前に、私がまず取り組みたいことがあります。

それは、今いるスタッフさんが、自分の売上をもっと伸ばせる状態にすることです。

具体的には、新規のお客様を担当する場面を増やす、リピートにつなげる、自分の顧客を少しずつ増やす、月ごとの売上を安定させる、といったことです。

今のスタッフさんが、この流れを実感できる店にできれば、あとから入ってくる方にとっても同じ道筋が使えます。

既存スタッフさんが成長できない仕組みに、人を追加しない

もし、現在のスタッフさんが、思うようにお客様を増やせなかったり、売上が伸びない状態が続いていたりするならば、その仕組みのまま人数だけ増やしても、同じ問題が繰り返される可能性が高いと感じています。

新しい人が入っても、道筋が見えなければ迷ってしまいます。

だから順番として、まず今いる人が伸びる仕組みを作り、その次に人数を増やす、という流れを大切にしたいと思っています。

人を増やす前に、今いる人が伸びる仕組みを作る。この順番を、私は自分の中で意識しておきたいのです。

売上を上げることは、会社のためだけではない

ここで一つ、大切にしたいことがあります。

スタッフさんの売上を上げてほしい、というのは、会社の売上を増やしたいからだけではありません。

売上が伸びれば、本人の給与を上げることができます。自分の顧客が増えれば、仕事の安定にもつながります。指名で入ってくださるお客様が増えれば、日々の仕事も面白くなっていきます。

売上を作る目的は、会社側と本人側、両方に返ってくるものにしたいと思っています。

【自店に置き換えて考える:採用前の状態】

・今、新しい人が入社しても迷わず働けるでしょうか?
・入社後にどのようにお客様を増やすか、道筋を説明できますか?
・給与が上がっていく仕組みを、言葉にできますか?
・現在のスタッフさんが、その仕組みで実際に成長していますか?

これは、私自身が今まさに考えている問いでもあります。

人数を増やす前に、私がいなくても回る状態を増やす

人が増えるほど、判断も増える

人数が増えると、日常業務、予約対応、休みの調整、勤怠、トラブル、スタッフさん同士の共有など、判断が必要な場面も自然と増えていきます。

ここで、その判断のすべてが私に集まってくる状態のままだと、人数が増えるほど、私の仕事量も一緒に増えてしまいます。

すべて私へ集まる仕組みのままでは拡大できない

何かあるたびに、「高品さん、どうしますか?」と確認が来る店では、スタッフさんが増えれば増えるほど、経営者の対応時間も増えていきます。

これは、私が目指している「現場から少しずつ手を離す」という方向と、逆の動きです。

人数を増やす前に、私がいなくても大きな問題が起きにくい場面を増やしておくことが、今のうちにやっておきたいテーマだと感じています。

8月13日の台風対応も、小さなテストだった

ちょうど前日、8月13日には、悪天候への対応がありました。

私は当日、店舗にはいませんでした。

その場で、安全を優先する基準、既存ルール、本人が判断できる範囲、必要な場合に相談できる形について、実際に考えることになりました。

結果としてはうまく乗り切れましたが、その経験を通じて、「経営者不在でも判断できる状態」の必要性を、改めて感じました。

この気づきがあったからこそ、翌日、求人LPを作りながら「本当に今、人を受け入れられる状態か?」という問いに、より強くつながったのだと思います。

【自店に置き換えて考える:オーナー依存】

・スタッフさんが増えると、自分への確認連絡も増えませんか?
・自分が休みの日でも、同じ基準で現場が動きますか?
・何を本人へ任せ、何を会社が決めるか、整理されていますか?

私自身も、まだ整理の途中です。

トラ吉

スタッフさんへ判断を任せられるようにするなら、細かいマニュアルを全部作る必要がありますか?

タカシナ カク

私は、すべての出来事をマニュアルにする必要はないと思っています。
大切なのは、その店では何を優先して判断するのかという共通の基準です。
ルールで決める部分と、自分で判断する部分を分けたいと思っています。

必要なのは、マニュアルの量より「共通の判断基準」

全部をルールにすることはできない

美容室では、毎日のように予定外の出来事が起こります。

予約の変更、キャンセル、遅刻、お客様からのご要望、スタッフさんの急な事情、天候の乱れなど、事前にすべてを想定してマニュアル化するのは、現実的にとても難しいと感じています。

細かいマニュアルを増やしすぎると、今度はマニュアルを読むことが仕事になってしまいます。

優先順位を共有する

それよりも、私が大切にしたいのは、その場面で「何を優先して判断するのか」という考え方を、みんなで共有しておくことです。

例えば、安全、お客様への影響、スタッフさん同士の公平性、店として守りたいルール、売上や生産性などの中から、「今回はまず何を優先するか」を判断する。

これは、まだ正式に整理できているわけではなく、これから一緒に固めていきたい部分です。

ルール+裁量+相談

8月13日の対応を経て、私が目指したい状態は、大きく3つに整理できてきました。

1.会社が決めておくルール

2.本人が自分で判断できる裁量

3.迷ったときに相談できる関係

すべてをルールで決めるのでも、すべてを本人任せにするのでもなく、この3つが重なるところで店を回していきたいと考えています。

人を増やす前に必要なのは、私の判断を増やすことではなく、私がいなくても同じ方向へ判断できる状態を増やすことだと思いました。

求人は、採用活動ではなく会社づくりのチェックシートだった

求人に書けないことは、まだ会社側の課題かもしれない

ここまで書いてきて、一つの見方がまとまってきました。

求人へ「書きたい」と思っているのに、自信を持って書けない項目があるとしたら、それは求人コピーの問題ではなく、会社側の仕組みの問題かもしれない、ということです。

例えば、働きやすさ、給与、休日の取りやすさ、成長の道筋、売上の作り方、教育の流れ、オーナー不在時の運営など。

どれか一つでも自信を持って言い切れない部分があるなら、その項目は、まず店の中を整えるサインだと思うようにしています。

「よく見せる」より、本当にそういう店にする

求人文章を工夫して「よく見せる」ことも、もちろん必要です。

ただ、それ以上に力を入れたいのは、求人に書いている内容が、本当にその通り運営されている店を作ることです。

今のスタッフさんが、実際に休めていて、売上を伸ばせていて、給与が上がっていて、相談できていて、自分で判断できている。

その実態こそが、将来の求人で一番強い証拠になります。

求人を良く見せるより、求人に書いていることが本当に実現されている会社を作る。その方が時間はかかりますが、長く働いてもらうためには大切だと思っています。

【自店に置き換えて考える:求人内容と実態】

・求人に書きたい働き方を、現在のスタッフさんも実際にできていますか?
・「本当にそうなのですか?」と聞かれたときに、実例を見せられますか?
・求人コピーの改善ではなく、会社側の仕組みを整える必要がある項目はありませんか?

私も、まだ胸を張って「はい」と言い切れない項目があります。

2027年1月までの3〜4か月でやることが見えてきた

8月14日の午後、リビングでコーヒーを飲みながら、この夏休み全体を通して見えてきた課題を、頭の中で整理していました。

この3〜4か月を「採用までの準備期間」として使うと決めたときに、優先したい大きな柱は3つでした。

【採用までに整えたい3つの状態】

1.現在のスタッフさんが売上を伸ばせる状態
・新規のお客様を担当する場面
・リピートにつなげる流れ
・自分の顧客を少しずつ増やす
・売上アップを給与アップにつなげる

2.オーナー不在でも大きな問題なく回る状態
・日常業務
・予約対応
・お客様対応
・緊急時対応
・スタッフさん同士の共有

3.ルールと判断基準が分かる状態
・会社が決めておくこと
・本人が判断できること
・迷ったときに相談できること

この3つが揃えば、必ず採用がうまくいくとは言えません。

それでも、この3つを意識せずに人数だけ増やすよりは、ずっと安心してスタッフさんを迎えられると感じています。

最後に、この日感じたことを、未来の自分のために整理して残しておきます。

【未来の自分への経営メモ】

・求人広告を完成させることをゴールにしない
・応募を集める準備と、受け入れる準備を分けて考える
・2027年1月頃の採用から逆算して動く
・完璧になるまで待つ必要はない
・ただし見えている大きな課題は先に整える
・まず今いるスタッフさんが売上を伸ばせる店にする
・スタッフさんの売上アップを給与アップにつなげる
・人数を増やす前にオーナー依存を減らす
・オーナー不在でも大きな問題なく回る場面を増やす
・すべてをマニュアル化しようとしない
・共通の判断基準を作る
・会社が決めること、本人が判断すること、相談することを分ける
・求人に書く内容と、実際の店の運営を一致させる
・現在のスタッフさんの姿を、将来の求人の証拠にする
・採用前の3〜4か月を会社づくりの期間として使う

人を採用する前に、今いるスタッフさんが成長でき、私がいなくても現場が回り、みんなが同じ方向へ判断できる店を作る。求人を作ったことで、採用までの3〜4か月で私が本当にやるべき仕事が、少しずつ見えてきました。

トラ吉

求人を作ることより、会社の中を整える方が先になってしまったということですか?

タカシナ カク

どちらか一方ではないと思っています。
求人は進めながら、同時に「この店なら安心して入社してください」と言える実態を作ることが必要だと感じています。

うさ美

求人を作ったからこそ、今のお店に足りないものまで見えてきたんですね。
採用活動そのものが、会社を見直すきっかけにもなりそうです。

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