トラ吉新しいスタッフさんが入れば、今いるスタッフさんも仕事を分担できて助かるのではないでしょうか?
人が増えることを嫌がる理由ってあるんですか?



私は今まで「人が増えれば、今いるスタッフさんにもメリットがある」とかなり経営者目線で考えていました。
でも8月23日の経営勉強会で、「自分がまだお客様を増やしたい段階なら、新しい人にそのお客様を分けたくないと感じる可能性もある」ことに気づきました。



経営者から見た採用と、今働いている人から見た採用では、同じ出来事でも見え方が違うんですね。
今回は2027年の採用を考える前に、今いるスタッフさんへ何をするべきかを振り返ります。
2026年8月23日は営業日でした。この日はお客様を担当する時間が多く、空いている時間は無理に仕事を詰め込まず、休めるところで休みながら過ごしました。
この日の一番大きなイベントは、月に一度の経営勉強会です。勉強会の前に、前回から今回までの1か月を自分の中で振り返りました。その整理にはChatGPTも使いながら、「今回、何を聞きたいのか」を事前に考えてから参加しました。
前日8月22の経験もあり、当初は「スタッフさんの掛け持ち施術をどう回すか」を他店のオーナーさんへ聞きたいと考えていました。ところが実際に勉強会が始まると、他の参加者の話や質問を通して、もっと大きな気づきを得ることになりました。
それは「新しい人を採用することを、今いるスタッフさんは本当に歓迎できる状態なのか?」という視点です。この気づきによって、2027年1月頃を一つの目安に考えていた採用までの数か月間の使い方が、自分の中で少し変わりました。
採用で大切なのは、新しい人に「来たい」と思ってもらうことだけではありませんでした。その前に、今いるスタッフさんが「この店なら自分のお客様を増やせる」「頑張った分だけ収入にもつながる」と感じられる状態を作る。その土台があって初めて、新しい仲間を歓迎しやすくなるのだと思いました。
月に一度の経営勉強会。今回は事前に質問を整理してから参加した
前回からの1か月を振り返る
勉強会へ参加する前に、前回の勉強会から今回までの1か月で、自分が何を考え、何を進め、どこで迷っていたのかを一度整理しました。ただ席に着くだけでは、聞ける話も自分の中に残りにくいと感じていたからです。
スタッフさんとのやり取り、採用、労務、給与、掛け持ち、現場からの手離れなど、最近考えてきたテーマを一度並べてみるところから始めました。
ChatGPTで聞きたいことを整理
その整理にはChatGPTも使いました。頭の中だけで考えるより、書き出しながら整理する方が、私にとっては論点が絞りやすく感じます。目的は「勉強会で何を持ち帰りたいか」を自分の中ではっきりさせておくことでした。
ここで大事だと感じたのは、勉強会にただ参加するのではなく、自分が今どこで止まっているのかを整理してから参加することです。準備してきた分だけ、当日の話が自分事として入ってきやすくなります。
前日から気になっていた「掛け持ちの型」
前日の8月22には、スタッフAさんが以前より積極的にお客様を掛け持って担当してくれる姿がありました。本人の中で、もっと売上を作りたい・収入を増やしたいという気持ちが行動に出てきているように、私は感じています。
ただし、掛け持ちの回し方には、店として整理したい部分がまだ残っていました。だから今回の勉強会でも、他店のオーナーさんが「掛け持ちをどう組み立てているのか」を聞いてみたいと考えていました。
「新しい人が入れば、みんな助かる」と思っていた
経営者から見える採用のメリット
経営者から見ると、人が増えることには分かりやすいメリットがあります。予約が取りやすくなる、店全体の売上を伸ばせる、休みを取りやすくなる、仕事を分担できる、自分自身も現場から手を離しやすくなる、といったものです。
だから私も、「スタッフさんにとっても、人が増えたら助かるはず」と自然に考えていました。8月14に求人LPを作りながら「応募を集める準備」と「採用できる会社づくり」は別だと気づきましたが、その時点でも視点はまだ経営者側にありました。
でも既存スタッフさん側から見ると違う可能性
今回の勉強会で他の参加者の話を聞くうちに、視点を変える必要があると気づきました。現在お店へ来ている新規のお客様、フリーのお客様、予約の空きを、今まで2人で分けていたところへ、3人目が入る形になります。
そうすると、既存スタッフさん側から見れば、「自分が担当できるお客様が減るのでは?」「歩合給に届きにくくなるのでは?」という不安が生まれる可能性もあります。これは今のスタッフさんが実際にそう言ったという話ではなく、「そう感じる可能性もある」と自分が気づいた、というレベルの話です。
採用する側の私は「人が増えれば店が良くなる」と考えていました。でも、今いるスタッフさんにとって同じ出来事が本当にメリットになるのかは、別に考えなければいけないと気づきました。



でも、お店が忙しいなら人が増えた方が、今いるスタッフさんも楽になりますよね?



そうなる場合もあると思います。
ただ、今いるスタッフさんがまだ「もっとお客様を担当したい」と思っている段階なら、人が増えることが「自分のお客様を分けること」に見える可能性もあります。
採用前に、今いるスタッフさんが「勝てる状態」を作る
「勝つ」は競争の意味ではない
ここで私が使う「勝てる状態」は、他のスタッフさんや他店との競争に勝つという意味ではありません。本人が「この店で働いていて、自分もちゃんと結果を出せている」と感じられる状態のことです。
自分のお客様と売上が安定する
具体的には、自分のお客様が安定して増えている、月ごとの売上のブレが少ない、基本給だけでなく自分の売上によって収入も上げられている、といった状態です。
本当は「安定」まで一気に進めるのが難しい部分もあります。それでも「頑張れば、その分は自分の収入にもきちんと返ってくる」という感覚を、本人が持てるかどうかは大きな違いになると感じました。
新しい人が入っても不安になりにくい
その状態ができていれば、新しい人が入っても「自分のお客様を取られるかもしれない」という強い不安にはなりにくいはずです。むしろ「一緒に働ける人が増えて助かる」という感覚に近づけると思います。
ここで大切にしたいのは、具体的な売上額や歩合到達額を今日の場面で新しく作らないことです。数字は、日々の営業と月次の中で丁寧に整理していきます。
新しいスタッフさんを採用する前に、まず今いるスタッフさんが「この店なら自分のお客様を増やせる」「頑張った分だけ収入も上げられる」と感じられる状態を作る。その順番を飛ばしてはいけないと思いました。
そのためにも「掛け持ちの型」が必要になる
数をこなせばいいわけではない
スタッフさんが営業時間を増やさずに売上を伸ばす一つの方法として、空いている時間を使って必要な範囲で掛け持ち施術をする、という選択肢があります。
ただし、掛け持ちを増やすこと自体が目的ではありません。無理な掛け持ちでお客様の待ち時間が長くなったり、担当者と接する時間が極端に減ったり、施術品質が落ちたり、他のスタッフさんへ負担が偏ったりするのであれば、売上が上がっても意味がないと考えています。
お客様体験を落とさない回し方を作る
ルコールが大切にしているのは、基本的には一人のお客様を丁寧に担当することです。その考え方は残したうえで、無理のない範囲で掛け持ちができる店としての最低限の「型」を作る必要があります。
他店のやり方をそのままコピーするのではなく、他店の考え方を材料にして、ルコールに合う形へ落とし込みたいと思っています。現時点で決まったルールではなく、これから整理していく論点として、以下のような項目を意識したいです。
【「掛け持ちの型」で今後考えたい項目】
・メイン担当者がどこまで施術を担当するのか
・どの工程なら他のスタッフさんへお願いできるのか
・お客様を待たせないための時間管理
・次のお客様へ移るタイミング
・ヘルプを頼むタイミングと基準
・誰が全体の進行を見るのか
・掛け持ちしてよい予約の条件
・お客様体験を落とさないための共通基準
ここで大事なのは、掛け持ちを「売上アップ施策」だけではなく、スタッフさんが営業時間内で売上を作りやすくし、その結果を本人の収入へつなげるための仕組みとして考える視点だと感じました。
経営者の「やってほしい」を、本人のメリットへ変える
売上を上げてほしい、だけでは動きにくい
私には、経営者として「もっと売上を作ってほしい」「掛け持ちにも取り組んでほしい」「新しいスタッフさんが入ったら歓迎してほしい」といった望みがあります。ただ、経営者が望んでいるからといって、スタッフさんが同じように望むとは限りません。
だから、単に「やってください」とお願いするだけでは動きにくい、と改めて感じました。必要なのは、その行動が本人にとってどう意味があるのかを一緒に整理することだと思います。
本人の収入・成長とつながる形
例えば掛け持ちは、店の売上を作るためだけの手段ではなく、本人の売上・歩合・収入につなげる仕組みとして考える。日々の技術や接客も、店の評価だけでなく、本人の指名や継続的な収入につながる。そんな形を意識したいです。
ここでは「メリットを与えれば人は動く」という単純な話ではありません。会社と本人の利害を、できるだけ同じ方向へそろえていく、というイメージに近いです。
新規採用も本人のメリットまで考える
新規採用も同じで、「経営者にとって良いから採用する」ではなく、既存のスタッフさんにとってのメリットまで含めて考える必要があります。休みを取りやすくなる、助け合える、店全体が安定する、そして今のスタッフさん自身の顧客基盤が先にできている状態にする、といったことです。
会社にとって良いことだからお願いするのではなく、会社にもスタッフさんにも意味がある状態を作ることが、私の考える仕組みづくりなのだと思いました。
経営者が「こうしてほしい」とお願いする前に、それをすることでスタッフさん自身にどんな良いことがあるのかを考える。双方にメリットがある状態を作ることが、仕組みづくりなのだと感じました。



スタッフさんにメリットを作って動いてもらうのは、ご機嫌取りになりませんか?



私はそうは考えていません。
会社だけが得をして、スタッフさんだけに負担をお願いする状態の方が長く続きにくいと思っています。
会社にもスタッフさんにも意味がある形を考えることが、今の私には必要だと感じています。
河合さんを見て「人を動かすより、動きたくなる状態を作る」と感じた
巻き込みながら進める姿勢
今回の勉強会は、美容師ではない立場から美容室を経営している河合さんが中心になって開いてくれているものです。私にとっては、自分とは違う経営の視点を持つ人から学べる貴重な時間になっています。
今回、勉強会の内容そのもの以上に印象に残ったのは、河合さんのスタッフさんへの関わり方でした。「経営者がこうしてほしいからやらせる」というより、スタッフさん本人が「自分もやった方がいい」「自分にもメリットがある」と感じられるように、人を巻き込みながら進めているように私には見えました。
感情的になりすぎない姿勢
やり取りの中でも、感情的になりすぎず、自分の感情をコントロールしている姿勢を感じました。ここは河合さん本人の内面を私が事実として断定できるものではありません。あくまで、勉強会で見ている私自身が「そういう姿勢を参考にしたい」と思った、という受け取り方です。
自分の感情のまま「もっとやってください」と伝えるより、相手が動きたくなる状態を静かに作っていく方が、結果として長く残るのかもしれない。そんな学びを持ち帰りました。
勉強会のあと、スタッフさん2人へ「ランチに行ってきてください」と送った
翌日の予約に少し余裕があった
勉強会が終わった8月23の夜、翌日の予約状況を確認しました。翌日は予約に少し余裕がある状態でした。空きの時間を、単に店内で待機してもらうより、もっと良い使い方ができないかと考えました。
朝9時で予約が増えていなければ12:00〜14:30を閉じる提案
そこで、スタッフAさんとスタッフBさんへ、グループLINEでメッセージを送りました。内容は、翌朝9時の時点で新しい予約が入っていなければ、12:00〜14:30の予約枠を切り、2人でランチへ行ってきてもらう、という提案です。ランチ代は、お店から1人2,000円まで負担します、と伝えました。
これは、勉強会で聞いた話をそのまま実行したというより、「スタッフさん本人にとってのメリット」「今いる人が働きやすい状態」について考えた自分なりの小さな行動、というイメージに近いです。
良いと思ったけど、送ったあとは少し不安
今後新しい仲間を迎えることを考えるなら、今いるスタッフさん同士の関係や、「この店で働いていてよかった」と思える経験を少しずつ増やしていくことも大切だと感じています。ただ、「ランチへ行けば人間関係が良くなる」と断定できる話ではありません。
メッセージを送ったあと、私は「オーナーとしては良い取り組みだと思っているけれど、スタッフさん自身はどう感じるだろう?」という少しの不安もありました。急に2人でランチと言われて困らないか、気を遣わせないか、ありがた迷惑にならないか。そういう可能性もゼロではありません。
経営者の善意も、受け取る側が同じように感じるとは限りません。「良いことをしているつもり」で終わらず、相手の反応を見るところまでが必要だと思っています。
【自店に置き換えて考える】
◆採用前
・新しい人を採用することを、今いるスタッフさんは本当に歓迎できる状態でしょうか?
・人が増えたとき、現在のスタッフさんにどんなメリットがありますか?
・現在のスタッフさん自身の売上や収入は安定していますか?
◆スタッフさんのメリット
・会社がやってほしいことだけを伝えていませんか?
・その行動がスタッフさん本人にどうつながるか説明できますか?
◆掛け持ち
・掛け持つこと自体が目的になっていませんか?
・お客様の待ち時間や、他のスタッフさんへの負担が偏っていませんか?
・店として最低限の共通基準がありますか?
未来の自分への経営メモ
最後に、8月23の一日を通して自分の中に残しておきたいことを、未来の自分へのメモとしてまとめておきます。採用は止めるつもりはありません。ただ、採用までの数か月を「今いるスタッフさんがもっと強くなるための期間」としても使うという視点を、忘れないようにしたいです。
【未来の自分への経営メモ】
・採用広告だけを良くしない
・新しい人を迎える前に、まず今いるスタッフさんを見る
・既存スタッフさんがお客様を増やせる状態を作る
・本人の売上を安定させる
・本人の収入へつながる仕組みを作る
・採用でお客様を奪われる感覚を作らない
・経営者側のメリットだけで採用を考えない
・「人が増えれば嬉しい」と決めつけない
・掛け持ちは売上だけで判断しない
・お客様体験を最優先に守る
・スタッフさん本人の自主性を活かす
・店として最低限の型を作る
・他店のやり方を聞く
・他店の答えをそのままコピーしない
・ルコールに合う掛け持ち方法へ変える
・「やってほしい」ではなく本人のメリットも考える
・会社と本人の利害を、できるだけ同じ方向へする
・今いるスタッフさんへの還元を忘れない
・善意を押し付けない
・スタッフさんの反応を見ながら改善する
・採用までの数か月を「既存スタッフさんを強くする期間」にする
新しい人を採用することばかり考えていましたが、その前にやるべきことがありました。今いるスタッフさんがお客様を増やし、売上を作り、その結果が自分の収入につながる。そんな状態を先に作ることです。今の2人が「この店で働いていて良かった」と感じられる店を作った先に、新しい仲間を迎えたいと思います。



それなら、今いるスタッフさんが十分に売上を作れるようになるまで、採用を止めた方がいいのでしょうか?



採用を止めたいわけではありません。
むしろ2027年に向けて準備は続けます。
ただ同時に、採用までの時間を「今いるスタッフさんがもっと強くなるための期間」にする必要があると気づきました。



新しい人を探すことと、今いる人が働きやすく結果を出せる店を作ること。
どちらかではなく、両方を同時に進めていくんですね。
