トラ吉スタッフさんへ正しいことを伝えているつもりなのに、なぜか反発されたり、うまく伝わらなかったりすることはありませんか?
伝えている内容よりも、伝え方に原因があるのでしょうか?



私も以前は、正しい内容を伝えれば理解してもらえると思っていました。
ただ、今は何を伝えるかだけでなく、どのタイミングで、どのような順番で伝えるかも大切だと感じています。



スタッフさんが突然変わったのではなく、経営者の伝え方が少しずつ変わったことで、反応が変わる場合もあります。
今回は、二人のスタッフさんとの会話から感じた変化を振り返ります。
2026年8月5日の朝は、少し気持ちが重い状態から一日が始まりました。
前日にスタッフさんから「明日、少し相談したいことがある」と連絡を受けていたからです。
相談の内容が具体的に分かっていたわけではありません。それでも、どのような要望が来るのか頭の中で何通りも想像していました。
その場で感情的に答えてしまわないように、あらかじめ「もしこう言われたら、こう答える」といった対応を、いくつか事前に整理していました。
しかし実際に話をしてみると、想像していたような大きな衝突は起きませんでした。
二人のスタッフさんが、こちらの考えを落ち着いて受け止めてくれたのです。
その反応を見て、私はふと考えました。相手が突然変わったのではなく、私自身の伝え方の方が、少しずつ変わってきたのではないだろうか、と。
スタッフさんが突然変わったのではありません。私自身が、相手の考えを受け止めること、伝えるタイミング、言葉の順番を少しずつ変えたことで、スタッフさんの受け止め方も変わってきたのだと思います。
相談を受ける前から、頭の中で何度も答えを考えていた
まだ起きていないことまで悪く想像していた
前日に「明日、少し相談したいことがある」と連絡を受けた時点で、私の頭の中では、いくつかの想定シナリオが動き始めていました。
経営者という立場は不思議なもので、まだ起きていないことまで先に考えてしまいます。
想像するだけで疲れる — この状態自体が、判断疲れの入口だと今なら分かります。
事前準備は、相手を言い負かすためではない
ただ、この事前準備は、相手を言い負かすためのものではありませんでした。
自分自身が、その場で感情的にならないためのものでした。
準備をしていなければ、想定外のことを言われた瞬間に、つい強い言い方をしてしまうかもしれません。
私は昔、まさにそういう経営者でした。
感情的にならないために自分の考えを整理した
考える時間を先にもらっておく。 それだけで、相手と向き合うときの余裕がずいぶん違ってきます。
私が朝のうちに整理したのは、次のような視点です。
【話し合い前に、私が整理していた4つの視点】
- もし大きな希望を伝えられたら、どこまで受け入れるのか
- 既存のルールとの整合性はどう取るのか
- ほかのスタッフさんとの公平性は、どう保つのか
- 相手を傷つけずに、こちらの考えも伝えられる言葉選び
実際の話し合いは、想像していたより穏やかだった
まずスタッフさんの話を聞いた
実際にスタッフさんと話をしてみると、私が事前に想像していたような場面には、一度もなりませんでした。
まずはスタッフさんの事情や気持ちを、こちらから丁寧に聞くことから始めました。
先にこちらの立場を伝えるのではなく、まず聞く。 この順番だけでも、空気は変わります。
ルールだけでなく、その理由も伝えた
そのうえで、こちらの考えや既存のルールについても伝えました。
相手を否定するような言葉ではなく、なぜそう考えているのか、ほかのスタッフさんとの公平性はどう見ているのか、といった理由を一緒に説明しました。
スタッフさんは、こちらの説明を落ち着いた表情で受け止めてくれました。
話す前から結論を決めつけない
話し終えた後、私はほっとしたと同時に、少し反省もしました。
相談があると聞いた瞬間から、自分の中で「きっと厳しい話になるだろう」と、勝手に結論を決めてしまっていたからです。
相手の話を聞く前に、頭の中で結論を決めつけないことも、伝え方と同じくらい大切だと感じました。



スタッフさんへ配慮しすぎると、ルールが曖昧になってしまいませんか?



私もその点はいつも気をつけています。
配慮とルールの曖昧化は違う と考えて、事情に寄り添う言葉を選びながらも、ルールの理由はきちんと説明するようにしています。
感情に流されるのではなく、感情に寄り添うことが大切だと思います。
行動力を否定せず、優先順位を伝える
行動してくれることへの感謝を先に伝えた
同じ日には、別のスタッフさんとのやり取りもありました。
このスタッフさんは、お店を良くしたいという気持ちが強く、いろいろな場面で自分から動いてくれる方です。
今回、私は順番を意識して変えてみました。まず、協力しようとしてくれる姿勢そのものに対して、感謝の気持ちを先に伝えました。
止める理由と、今優先する仕事を説明した
そのうえで、今のお店として先に取り組んでほしい基本業務や、優先順位を落ち着いて説明しました。
なぜ、その仕事を先にしてほしいのか。 その理由も一緒に伝えました。
スタッフさんは、私の話を落ち着いて受け止めてくれ、「そういうことなら、まずはそちらから進めます」と、自然に切り替えてくれました。
長所まで否定しない伝え方を考える
行動を頭ごなしに止めるだけでは、その方の長所である行動力まで一緒に否定してしまうことになりかねません。
ですから、順番として大切にしたいのは、感謝、理由、優先順位の3つです。
この3つがそろっていれば、同じ「今回は止めてほしい」という結論でも、受け取り方はずいぶん変わってきます。



スタッフさんが自分から行動してくれたのに、その行動を止めると、やる気までなくなってしまわないでしょうか?



私もそこは気をつけました。
行動してくれたことへの感謝は先に伝えたうえで、なぜ今回は止めるのか、今は何を優先してほしいのかを説明しました。
行動力を否定するのではなく、向かう方向を一緒に整えることが大切だと思います。
スタッフさんではなく、私の伝え方が変わっていた
以前は正しいことを伝えればよいと思っていた
二人のスタッフさんとのやり取りを振り返りながら、私はある考えにたどり着きました。
スタッフさんが、ある日を境に突然変わったわけではないのだと思います。変わってきたのは、私の伝え方の方だったのです。
以前の私は、正しいことをそのまま伝えれば、相手はきちんと理解してくれる、と考えていました。
内容が正しくても、伝え方が強ければ届かない
ただ、実際にはそう単純ではありません。
どんなに内容が正しくても、タイミングが悪かったり、言葉が強すぎたりすると、伝えたい中身はほとんど届きません。
小さな言葉選びが信頼関係を作る
そこで、少しずつ、次のようなことを意識するようになりました。
【スタッフさんへ伝えるときに意識した順番】
- まず相手の話を聞く
- 協力してくれたことや、良かった点へ感謝を伝える
- 改善してほしいことを一つに絞る
- なぜ必要なのか、理由を説明する
- 今の優先順位を伝える
- 相手がどのように受け止めたかを確認する
どれも、派手な変化ではなく、日々の中で忘れてしまいそうな小さな工夫ばかりです。
こうした改善を毎日少しずつ続けてきたからこそ、この日のスタッフさんの反応も、落ち着いたものになったのだと感じています。
信頼関係というのは、一度の面談で完成するものではありません。 日々の小さな声かけや、選ぶ言葉、聞く姿勢の積み重ねで、少しずつ形になっていくものだと思います。
スタッフさんを変えようとする前に、自分の伝え方を変える。その積み重ねが、組織づくりの土台になるのだと思います。



スタッフさんの反応が変わったとき、相手が成長したと考えてもよいのでしょうか?



もちろん、スタッフさん自身の成長もあると思います。
ただ今回は、相手だけを見るのではなく、私自身の言葉選びや伝える順番も変わっていたことに気づきました。
相手と自分、両方の変化に目を向けることが、次の学びにつながります。
お客様3名を担当し、空き時間はサイトづくりに使った
3時間の空き時間を未来の仕事へ使った
この日は、お客様を3名担当していました。
予約の間には、合わせて3時間ほどの空き時間がありました。
その時間を、私はこの「タカシナ カクの経営ログ」のサイトを整える時間にあてました。
サイトづくりは仕事であり、夢中になれる時間でもある
デザインの調整や、記事同士の導線、CTAの見直しなどを、少しずつ手を動かして進めました。
CTAというのは、読者へ次の行動を案内する場所のことです。「無料チェックシートを受け取る」や「関連記事を読む」といった案内ボタンや、追従フッターがCTAにあたります。
正直に言うと、この時間は仕事でありながら、私にとっては遊びのように夢中になれる時間でもあります。
すぐに結果を求めず、経営ログと一緒に育てる
記事、カテゴリー、CTA、無料チェックシート、追従フッターといった要素が、少しずつつながってきているのを見ると、単純にワクワクしてきます。
もちろん、今日サイトを触ったからといって、明日すぐに大きな結果が出るわけではありません。
ただ、来年以降、このサイトを通じて問い合わせや新しい仕事につながっていく状態を作りたい。そのために、毎日の経営ログと一緒に、サイトも少しずつ育てていくつもりです。
現場での空き時間は、ただお客様を待つだけの時間にはしたくないと考えています。今の私にとっては、それも大切な経営の一部です。
採用を急ぐ前に、労務の土台を整える
応募者へ自信を持って説明できる状態にする
もう一つ、今取り組んでいる大きなテーマがあります。
それは、採用を進める前に、労務の土台をきちんと整えることです。
現在は、顧問の社労士さんと一緒に、勤怠や働き方、労務環境などの整理を進めています。
現在のスタッフさんにも分かりやすい制度を作る
「早く採用したい」という気持ちがまったくないわけではありません。ただ、採用人数を増やすことだけを急いでも、その先で無理が出てきてしまうと感じています。
応募してくださる方へ、自信を持って説明できる雇用条件を用意しておきたい。今、実際に働いてくれているスタッフさんにも、分かりやすい制度になっている状態にしておきたい。
採用人数よりも、長く働ける環境を優先する
制度を増やしすぎて複雑にしてしまうと、私自身が正しく管理できなくなります。
「できるかどうか」だけではなく、「続けて正しく管理できるかどうか」も含めて考えていきたいと思っています。
【採用前に整えたい7つの土台】
- 労働時間
- 休日や有給の扱い
- 勤怠管理
- 給与制度
- 評価制度
- 定期面談のしくみ
- 応募者へ説明する雇用条件
土台がある程度整ってきたら、そのタイミングで採用活動を進める。採用した後も、スタッフさんが長く安心して働けるお店にする。
そして雇用を安定させたうえで、将来的にはスタッフさんの給与も少しずつ上げていける経営へつなげていきたい。
採用は、人を集めることから始まるのではなく、安心して働ける土台を作ることから始まるのだと思います。
未来の自分への経営メモ
最後に、この日の経験を未来の自分のためにも整理して残しておきます。
【未来の自分へのメモ】
- 相談を受ける前に、悪い結果を決めつけない
- 事前準備は、相手を言い負かすためではなく、感情的にならないために行う
- まず相手の考えや行動を受け止める
- 感謝できる部分があれば、先に伝える
- 改善点は、理由と優先順位をセットで伝える
- 一度に多くを求めすぎない
- 相手の反応だけでなく、自分の伝え方も振り返る
- 現場の空き時間は、未来の仕組みづくりへ使う
- 採用を急ぐ前に、労務環境の土台を整える
- スタッフさんとの信頼関係は、毎日の小さな対話で少しずつ作っていく
こうして一つひとつの経験を言葉にして残しておくことが、次に同じような場面へ出会ったときの、私自身の助けになると思っています。
スタッフさんは、ある日突然変わったわけではありません。私が伝えるタイミングや言葉の選び方を少しずつ変えたことで、スタッフさんの反応も少しずつ変わってきました。人を変えようとする前に、まず自分を変える。この積み重ねが、組織を作る基本なのだと思います。



相手の反応が変わったときは、相手だけでなく、自分の伝え方も振り返ってみましょう。
毎日の小さな言葉選びが、少しずつ信頼関係を作っていきます。
