働きやすさと利益を両立するには?勤務時間と人件費を数字で見直した1日|8月7日の経営ログ

トラ吉

スタッフさんが働きやすい環境を作ろうとすると、人件費はどんどん高くなりませんか?
利益を残そうとすると、逆にスタッフさんへの還元が少なくなってしまわないでしょうか?

タカシナ カク

私も、まさにそこで悩みました。
8月7日は勤務時間や給与を数字で整理していく中で、働きやすさと利益は、どちらかを諦めるのではなく、両方が続く場所を探す必要があると感じました。

うさ美

良い制度を増やすだけでは、長く続く会社にはなりません。
スタッフさんにとっても会社にとっても、無理なく続けられる仕組みを考えた一日です。

前日の2026年8月6日は、顧問の松下さんとお散歩コンサルの日でした。制度を作る前に「何のために作るのか」という目的と優先順位を整理できたことで、労務を整える方向性がようやく見えたところで一日を終えました。

8月7日は、その内容を実際の数字へ落とし込む一日になりました。勤務時間、給与、年間人件費、採用、そして雇用する目的。それぞれを一気に考えたため、頭の中はかなりいっぱいになりました。

それでも、9月1日から求人広告を回し始めると自分の中で期限を決めました。もう先延ばしにはできません。感覚だけで決めず、一つずつ数字と目的を照らし合わせながら判断した一日を、未来の自分のために残しておきます。

働きやすい制度を作るだけでも、利益を残すだけでも足りません。スタッフさんへ無理なく還元し続けられ、会社にも次の投資ができる状態を作ることが、雇用環境を整える目的だと感じました。

目次

8月7日は「考える日」から「決める日」へ変わった

前日までは「そのうち労務を整えたい」と漠然と考えていましたが、この日は具体的な数字と期日を決める段階へ入りました。頭の中で漂っていた課題を、時間軸のある仕事へ移した一日です。

9月1日から求人広告を回すと決めた

いつまでも「もう少し整えてから」と言い続けていると、来年の春には間に合いません。私はこの日、9月1日から求人広告を回し始めると決めました。

期限を先に決めることで、それまでに何を整えるのかがはっきりします。勤務時間、給与、休日、雇用の目的。この4つを、9月に入るまでに自分の言葉で説明できる状態にすることが、この日の目標になりました。

期限を決めたことで、労務整備が現実の仕事になった

不思議なもので、期限が決まると頭の使い方が変わります。「いつかやる仕事」から「日付のある仕事」に変わり、後回しにできなくなりました。

やるべきことを増やすよりも、期日を先に決める方が動きが変わると、改めて感じた一日です。

勤務時間は、感覚ではなく実際の予約データから決める

私のサロンの営業時間は、9時30分〜18時30分が基本です。ただ、実際にはスタッフさんは9時10分頃から準備を始めています。この「見えない20分」をどう扱うかも、この日に整理したポイントの一つでした。

9時10分〜18時10分という案

検討している所定勤務時間は、9時10分〜18時10分という形です。準備時間を勤務時間として正式に位置づけ、代わりに閉店側を少し前倒しにするイメージです。

最終受付時間は基本的に大きく変えない方針で、18時10分を超えて勤務した日は、実際の残業として対応する形を考えています。最初から固定残業代を組み込むのではなく、まずは実績を確認する段階にしたいと思っています。

18時以降のお客様は月5〜6日程度だった

感覚だけで決めるのは危険なので、2026年4月から8月6日頃までの予約状況を確認しました。すると、18時以降までお客様がいる日は、月におよそ5〜6日程度でした。

「営業時間を短くしたら売上が下がる」という不安だけで決めてしまうと、実際の需要と合わない制度になってしまいます。私も以前は感覚で「夜も一定の需要はあるはず」と思い込んでいました。数字を見ると、思い込みと実際にはズレがありました。

需要が変われば、制度も見直せばよい

今後、18時以降の需要が安定して増えれば、そのときに改めて固定残業や営業時間の考え方を見直す予定です。制度は一度決めたら永久に変えられないものではなく、需要が変われば見直すものだと考えています。

勤務時間は、経営者の不安や感覚だけで決めるのではなく、実際のお客様の利用時間を確認して決めることが大切だと感じました。

【自店に置き換えて考える質問①:勤務時間】

  • 閉店前1時間には、月に何人のお客様が来店していますか?
  • その時間帯の売上はいくらありますか?
  • その売上に対して追加の人件費はいくらでしょうか?
  • スタッフさんが長く働く価値と見合っていますか?
トラ吉

18時以降のお客様が少ないなら、営業時間を短くした方が正解なのでしょうか?
数人でも売上があるなら、残した方がよい気もしますが?

タカシナ カク

私は「短くすることが正解」とは考えていません。
大切なのは、実際の需要と、その時間を維持するコストを比べることだと思います。
今後18時以降の需要が増えれば、また見直せばよいと考えています。

給与を考えていたら、本当の人件費が見えてきた

勤務時間の次に取り組んだのが、給与制度です。これまで私は、スタッフさんの売上に対して37%程度を報酬の基準、サロン売上に対する人件費全体は45%以内というイメージを持っていました。

37%の報酬設計だけでは分からなかったこと

数字を書き出してみて気づいたのは、この37%や45%は、あくまで月給ベースで見たときの目安だったということです。実際に会社が負担している金額は、この数字だけでは見えていない部分がありました。

会社が負担するのは月給だけではない

給与として支払う金額と、会社が実際に負担する人件費は同じではありません。私はここを、これまで十分に区別できていませんでした。

会社が負担するのは、月給以外にも次のような費用が含まれます。

  • 会社負担分の社会保険料
  • 福利厚生の費用
  • 住宅手当や交通費
  • 有給休暇の分の人件費
  • 柔軟な休日制度に伴う費用
  • 賞与
  • そのほか雇用を維持するための費用

月単位ではなく年間で見る

私はこれまで、月々の給与を中心に人件費を考えていました。しかし、賞与や年に一度発生する費用まで含めると、年間で見た本当の人件費は、月ベースで想定していた金額よりも高くなります。

月給だけを見て人件費を判断していると、年間になったときに数字が合わなくなるという感覚が、この日ではっきりしました。

人件費率48〜50%という数字に少し焦った

現在検討している給与、社会保険、賞与、福利厚生を年間で試算してみたところ、試算条件によっては人件費率が48〜50%近くまで上がる可能性が見えてきました。

想定より人件費が高くなる可能性

これは確定した数字ではありません。試算の条件や、今後の売上動向によっても変わります。ただ、月給ベースで「45%以内」と考えていたつもりが、年間で計算すると想定より高くなる可能性があると分かった時点で、正直、少し焦りました。

給与制度を考えるとき、スタッフさんへ支払う月給だけを見ていてはいけません。社会保険、賞与、福利厚生まで含めて、年間で会社がいくら負担するのかを見る必要があります。

人件費を下げることが目的ではない

ここで大切なのは、「人件費を下げなければならない」という結論に走らないことです。スタッフさんへ還元したいという気持ちは、これまでと変わっていません。給与を上げられる会社にしたいですし、働きやすい環境も作りたい。社会保険や福利厚生も、無くしてよいものではありません。

ただ、会社が赤字になれば、雇用そのものを守れなくなります。利益がなくなれば、昇給、設備投資、教育、そして次の採用も続けられません。

払い続けられる給与制度を作る

私が向かうべきは、「人件費を下げる制度」ではなく、「無理なく払い続けられる報酬設計」だと考えています。今年だけ成立する数字ではなく、来年も、その次の年も続けられる数字を作ることが目的です。

スタッフさんへ還元することと、会社に利益を残すことは対立するものではありません。長く給与を払い続けるためにも、両方が成立する数字を作る必要があります。

【自店に置き換えて考える質問②:年間人件費】

  • 給与以外の会社負担まで計算していますか?
  • 社会保険、賞与、福利厚生を含めると、年間でいくらでしょうか?
  • 月ではなく年間で人件費率を確認していますか?
  • 売上が下がった月でも、続けられる給与制度でしょうか?
トラ吉

人件費率が高くなるなら、スタッフさんへの給与や福利厚生を減らした方がよいのでしょうか?

タカシナ カク

私は、単純に減らせばよいとは考えていません。
スタッフさんへ還元しながら、会社にも利益が残り、翌年も同じ条件を続けられる数字を探すことが大切だと思っています。

手当を増やせば、良い給与制度になるわけではない

給与制度を具体的に考える中で、もう一つ気づいたのが手当の扱いです。手当を増やすほどスタッフさんにとって良い制度になる、と単純には言えないと感じました。

住宅手当、皆勤手当、自己管理手当を考える

今回検討していた項目は、基本給、住宅手当、交通費、皆勤手当、自己管理に関する手当、歩合、賞与などです。それぞれを入れる意味はありますが、支給条件や法的な扱いを整理する必要があり、思っていた以上に難しい部分がありました。

住宅手当や残業代の扱いについては、社労士さんへ確認しながら整理を進めています。ここは自分だけで断定せず、専門家と一緒に決めていく予定です。

制度が複雑になるほど管理も難しくなる

手当を増やすと、次のような点が難しくなります。

  • 毎月の給与計算が複雑になる
  • 残業代の計算へ影響する手当もある
  • 支給条件が分かりにくくなる
  • スタッフさんが「何をすればいくらになるのか」を理解しにくくなる
  • 経営者自身のチェックも大変になる

スタッフさんが理解できるシンプルさも大切

私が目指したいのは、スタッフさんが自分の口で説明できる給与制度です。項目を増やして手厚く見えたとしても、本人が理解できない制度は、安心感にはつながりません。

複雑な制度は、作る側にとっても管理する側にとっても続きにくいと感じました。

雇用環境を作る目的を、もう一度言葉にする

数字を触っていると、目的を見失いそうになります。この日は、「そもそも何のために雇用環境を作るのか」を、もう一度言葉に戻して整理しました。

離職をなくすことだけが目的ではない

最初は、「スタッフさんの離職をなくす」ことを目的として書こうとしていました。ただ、人にはそれぞれ人生や事情があり、会社側の努力だけで、すべての離職を防げるわけではありません

「離職ゼロ」を絶対の目標にしてしまうと、経営者としての判断も苦しくなりますし、スタッフさんへの接し方も不自然になってしまう気がしました。

安心して長く働き、成長と収入を目指せる環境へ

そこで目的を、次のように整理し直しました。

「スタッフさんが安心して長く働きながら、成長と収入の両方を目指せる環境を作る」

安心・成長・収入。この3つがそろっている状態を、雇用環境として目指したいと考えています。離職を無理に止めることが目的ではなく、その3つを提供し続けられる会社であることが本来の目的だと思いました。

採用は求人広告を出す前から始まっている

9月1日から求人広告を回すと決めたことで、それまでに雇用条件を整えるスケジュールが、逆算で見えるようになりました。

応募者へ自信を持って説明できる条件にする

求人広告を先に作ってから中身を後付けするのではなく、勤務時間、休日、給与、働き方を応募者に自信を持って説明できる状態にしてから広告を出したい、と考えています。

ここが曖昧なまま採用を始めてしまうと、入社後に「聞いていた話と違う」と感じさせてしまう可能性があります。それは、応募者にとってもお店にとっても不幸なことです。

現在のスタッフさんにも同じ説明ができるか

もう一つ大事にしたいのは、応募者だけでなく、今働いてくれているスタッフさんにも同じ内容を説明できる状態にしておくことです。

採用のためだけに見栄えの良い条件を並べてしまうと、既存のスタッフさんとの間に不公平感が生まれます。採用は、今のスタッフさんとの信頼を守ったうえで進めることが前提だと考えました。

入社後も続けられる制度を作る

求人で良く見せる制度ではなく、入社した後も本当に続けられる雇用環境を作ることが先だと考えました。

短期的に応募数を増やすための派手な条件よりも、入社してから5年後、10年後にも同じように払い続けられる条件のほうが、結果的にスタッフさんの安心につながると思います。

【自店に置き換えて考える質問③:採用】

  • 勤務時間を、応募者へ明確に説明できますか?
  • 給与がどのように上がっていくのか、順序立てて説明できますか?
  • 休日や有給のルールを、迷わず説明できますか?
  • 現在のスタッフさんにも、同じ説明ができていますか?
トラ吉

求人広告を出してから、応募者の反応を見ながら条件を決めてもよいのではないでしょうか?

タカシナ カク

条件を改善すること自体は、今後もあると思います。
ただ、最低限、勤務時間や給与、休日については、今働いているスタッフさんにも応募者にも同じ説明ができる状態にしてから求人を出したいと考えています。

未来の自分への経営メモ

最後に、8月7日に決めたこと、気づいたことを、未来の自分のためにまとめておきます。

【未来の自分への経営メモ】

  • 求人広告は9月1日から始める
  • それまでに勤務時間と給与条件を整理する
  • 勤務時間は実際の予約データから判断する
  • 18時以降の需要が変われば制度も見直す
  • 給与だけでなく年間人件費を見る
  • 社会保険や賞与も会社負担として計算する
  • 人件費を下げることではなく、払い続けられる仕組みにする
  • 制度を複雑にしすぎない
  • 現在のスタッフさんにも応募者にも説明できる条件を作る
  • 雇用の目的を忘れない
  • 働きやすさと会社の利益の両方を守る

良い雇用環境とは、スタッフさんにとって条件が良いだけではなく、その条件を会社が無理なく続けられることだと思います。働きやすさ、給与、利益の3つを切り離さずに考えることが、長く働けるお店を作る土台になります。

トラ吉

働きやすさも給与も利益も考えるとなると、正解を決めるのが難しくなりませんか?

タカシナ カク

かなり難しいです。
私も今、何度も数字を計算し直しています。
ただ、最初から完璧な制度を作るのではなく、今の数字と目的に合う仕組みを作り、必要なら見直していくことが大切だと思っています。

うさ美

制度を一度決めたら終わりではありません。
お店、お客様、スタッフさんの状況が変われば、数字を見ながら少しずつ整えていけばよいのだと思います。

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