2,200円の指名料、日報の伝え直し、LP修正。現場と経営を行き来した一日

トラ吉

覚さん、美容室オーナーなら、もう自分で新規のお客様を担当するより、経営の仕事に集中した方がいいのではないでしょうか?
現場に立ちながら仕組みも作るのは、効率が悪くないですか?

タカシナ カク

今の私は、まだ完全に現場を離れる段階ではないと思っています。
この日も、2,200円の指名料を払って私を選んでくださった新規のお客様を担当しながら、スタッフさんの日報やLPの修正もしていました。
現場と経営を行ったり来たりしているのが、今の自分のリアルです。

うさ美

完成した経営者の話ではなく、その途中の一日なんですね。
今回は8月16日に実際に起きたことを、そのまま追いかけてみます。

2026年8月16日は、朝から16時頃まで予約が入っている営業日でした。

この日、久しぶりに私を新規で指名してくださったお客様が来店される予定でした。私を新規で指名する場合は、通常料金に加えて指名料2,200円をいただいています。前日の時点で、この日の最優先事項として考えていたのは、「久しぶりに自分を新規指名してくださったお客様に満足してもらい、次回へつなげること」でした。

ただ、一日の中身は、それだけでは終わりませんでした。スタッフさんの日報について気になる点があり、朝礼で伝えようとして、うまく整理して話せませんでした。夕方に改めて説明し直し、そのあとには別事業として進めているクライアントLPの追加修正もありました。さらに、この日は妻と子どもたちが実家から帰ってくる日でもありました。

一つの大きな意思決定というより、いくつもの役割を行き来した一日でした。今回はその一日を、無理に一つの経営テーマへまとめず、そのまま経営ログとして残しておきたいと思います。

現場から手を離したいからといって、今の現場を雑にしてよいわけではありません。お客様へ価値を届け、スタッフさんが働ける仕組みを作り、少しずつ自分がいなくても回る店へ変えていく。その途中にいるのが、今の私です。

目次

今日の最優先は、久しぶりの新規指名のお客様

2,200円払って私を選んでもらうということ

最近のルコールでは、新規のお客様についてはできるだけスタッフさんへ担当してもらう運用にしています。スタッフさん自身のお客様を増やし、私が施術しなくても店全体で売上を作れる状態を目指したいからです。

そのため、私自身が新規のお客様を担当する機会は以前より減っています。私を新規で指名される場合は、通常料金に加えて指名料2,200円をいただく形にしています。

だから8月16日の朝は、「2,200円を追加で払ってでも私を選んでよかった」と思ってもらえるかどうか、ということを意識していました。

指名料以上の価値とは何なのかを考えた

正直に書くと、少し緊張もありました。通常の新規のお客様よりも、期待していただいている度合いが高い可能性があるからです。

だからといって、いつものお客様と扱いを変えてしまうのは違うと思っています。普段のお客様にも同じくらい丁寧に向き合うのが前提のうえで、「追加料金を払って選んでいただいた以上、その期待に応えたい」という気持ちで臨みました。

技術も、カウンセリングも、仕上がりの説明も、一つずつ丁寧に積み重ねる。特別なことを追加するというより、いつもやっていることを丁寧に、そして自分の言葉できちんと届けるイメージです。

次回予約と、次回以降の指名料についての説明

施術後、次回予約までつながった

施術が終わったあと、お客様から次回予約をいただくことができました。これは、正直ホッとした瞬間でした。

ただ、ここで「2,200円の価値を完全に証明できた」と断定するのは違うと思っています。次回予約は、あくまで一つの結果です。本当に満足していただけたかどうかは、次回、そしてその次に、また来てくださったときにようやく分かることです。

それでも、次回予約をその場でいただけたことは、少なくとも今回の施術に一定の満足を感じていただけた一つの結果として受け取ろうと思います。

次回以降の指名料についても説明した

あわせて、今後も私を指名してくださる場合には、通常料金に加えて指名料2,200円が毎回かかることをきちんとお伝えしました。

ここは、少し勇気が要る場面でもあります。せっかく次回予約をいただけたのに、追加料金の話をすると気まずくならないかな、という気持ちもあります。

それでも、あとから「聞いていなかった」となる方が、お客様にとってもお店にとってもよくありません。最初にきちんと料金を共有すること自体が、お客様への誠実さだと思っています。ありがたいことに、その場で了承をいただくことができました。

料金を上げることより、その理由に向き合う

2,200円という指名料は、収入を増やしたいから設定しているわけではありません。「私を本当に指名したい方は私が担当する」「通常の新規のお客様はスタッフさんへお願いする」という店全体の運営とセットで決めた金額です。

だからこそ、料金を上げることそのものより、「なぜその料金をいただいているのか」を自分で説明できる状態でいることの方が大切だと感じています。

お客様が2,200円払う価値を感じてくださるためには、まず私自身が、その2,200円分の理由を自分の中で持っていないといけません。今回のお客様のおかげで、そのことをあらためて考える一日になりました。

トラ吉

2,200円の指名料をいただくなら、他のスタッフさんとは明確に違うサービスをしないといけないのでしょうか?

タカシナ カク

特別なことを追加すればよい、という話ではないと思っています。
私を選んでいただいた理由を考え、その期待に対して技術、説明、安心感まで含めた施術全体で応えることが大切だと思っています。

一方で、スタッフさんの日報には気になることがあった

スタッフBさんの日報にミスがあった

ルコールでは、スタッフさんに毎日日報を記入してもらっています。売上や客数などの数字と、その日のチェック項目を残す形です。

この日までの日報を確認していると、スタッフBさんの日報に、数字の記入や確認の面で気になるミスがありました。一方で、スタッフAさんの日報は比較的きちんと管理できていました。

ただ、この記事でお伝えしたいのは、「AさんはできていてBさんはできていない」という話ではありません。二人を比べて優劣を書きたいわけでもありません。

朝礼ではうまく言えなかった

この日、日報について朝礼で伝えようと考えていました。しかし朝礼では、自分が伝えたい内容をうまく整理して話すことができませんでした。

頭の中では、「なぜ日報が必要なのか」「どういう意味があるのか」を伝えたかったのですが、いざ話し始めると、「ミスがあったから気をつけて」という表面的な注意で終わりそうな感覚がありました。

結局、朝礼のその場では、伝えたい核の部分まで話しきれずに終わりました。「ここで踏み込めなかったな」という違和感が、そのあとも一日中残っていました。

夕方、日報の目的を3つに分けて伝え直した

営業が落ち着いたタイミングで、あらためてスタッフさんへ日報の話をすることにしました。「言えなかったから終わり」にはしたくなかったからです。

今回スタッフさんへ伝えた日報の目的は、大きく3つあります。

【スタッフさんへ伝えた日報の3つの目的】

①自分自身の売上と数字への意識を持つため
②日報提出までを「一日の最後の仕事」とするため
③将来歩合給に移行したときの、給与ミスを防ぐ二重確認のため

①自分の売上を自分で把握する

日報に、その日の売上、客数、必要な数字を記録することで、自分の仕事を自分自身の数字で把握できる状態を作りたいと考えています。

店側だけが数字を管理するのではなく、本人自身にも「自分は今月ここまで来ている」と分かっている状態でいてほしい。数字を追いかけてほしいというより、数字と一緒に自分の仕事を見てほしい、という気持ちです。

②日報までが一日の最後の仕事

日報を書くことは、単なる事務作業ではありません。その日の仕事を確認し、「今日の業務はここまで完了しました」と報告する意味があります。

営業が終わった瞬間に仕事が終わりではなく、数字を確認して、日報を書いて、チェックして、報告するところまでが一日の仕事という考え方です。ここまでを含めて、その日の仕事を締めるイメージです。

③将来の歩合給で給与ミスを防ぐ二重確認

ルコールでは、売上によって歩合給へ移行する給与設計を検討しています。そうなると、POSレジに記録されている数字と、本人の日報の数字とで、二重に確認できる状態が必要になります。

数字が一つの経路でしか管理されていないと、給与計算のときに間違いに気づけない場面が出てきます。二重に確認する仕組みは、スタッフさん自身を守るためのものでもあります。

日報のチェック項目についても、「チェックを付ければ終わり」ではなく、「今日これができただろうか」と一日を振り返るための項目として使ってほしい、と伝えました。

自由な働き方は、自己管理とセットだと思っている

3つの目的を説明したあと、もう一つ、この日にどうしても伝えたかったことがあります。それが、自由な働き方と自己管理の関係です。

17時に予約がなければ帰れる環境

ルコールでは、シフトを比較的自由に調整できる形にしています。予約状況に応じた働き方ができ、17時時点で自分のお客様がいなければ帰れるようにもしています。

これは、私自身が「働きやすさ」を大切にしたいと思って作った形です。ただ、この自由は、会社側が何も見ないという意味ではありません。

自由なシフトを、細かい管理で縛りたくない

自由な働き方の裏側では、スタッフさん自身が自分の予約、自分のお客様、自分の売上、日報、日々の業務を自己管理してくれていることが前提になっています。

もし、その自己管理が回らなくなると、店側が細かい確認とチェックを増やすしかなくなります。そうなると、結局、自由な働き方は続けられなくなります。

自由な働き方を増やすほど、会社の管理を増やすのではなく、一人ひとりの自己管理が重要になる。これが、この日スタッフさんへ伝えたかったことでした。

自由と責任は反対ではない

「自由に働けること」と「自分の仕事に責任を持つこと」は、反対のことではなく、セットのことだと思っています。

日報を書くのも、「怒られたくないから提出する」ではなく、「自分で自分の仕事を確認するから、店側が細かく管理せずに済む」という関係の中の一つの行動です。

私はスタッフさんを細かく管理したいわけではありません。むしろ一人ひとりが自分の仕事を管理してくれるからこそ、シフトや退勤時間にも自由を作れるのだと思っています。

トラ吉

自由な働き方を作りたいのに、日報まで細かく確認するのは矛盾していませんか?

タカシナ カク

私は逆だと考えています。
会社が全部管理しなくても、一人ひとりが自分の仕事を確認できるからこそ、細かく縛らずに済みます。
自由を増やしたいから、自己管理の土台を作るという考えです。

一度で伝えられなくても、方法を変えて伝え直す

朝礼で言えなかったから、夕方にもう一度伝えた

この日、朝礼ではうまく話せなかった内容を、夕方に口頭で伝え直し、さらにグループLINEでも文章にして共有しました。

口頭だけだと、その場で聞き逃した部分がある可能性があります。あとから見返せる形も残しておきたい、と考えました。

大切なことを一度でうまく伝えられなくても、伝わるまで方法を変えてもう一度伝えればいい。これは、今回に限らず、これからも自分に言い聞かせておきたいことです。

8月5日から続く「伝え方」の練習

少し前の8月5日にも、「スタッフさんが変わったのではなく、私の伝え方が変わった」という振り返りをしました。

以前の私は、「ルールだからやってください」「正しい内容を説明すれば分かってもらえる」という伝え方になりやすかったと思います。最近は、なぜ必要なのか、本人にどんなメリットがあるのか、店が何を実現したいのかまで説明することを意識しています。

ただ、今回のようにその日の朝礼でうまく話せない日もあります。「もう伝え方は完全に習得しました」と言えるような話ではなく、まだ日々練習中の内容だと感じています。

LPの追加修正で、また頭を切り替えた

自店とは別の仕事へ頭を切り替える

この日は、自店の仕事だけではありませんでした。別事業として進めているLP案件で、クライアントから追加修正のご依頼が発生しました。

「LP」はランディングページの略で、一つのテーマだけを深く伝えるための1ページ完結型のホームページのことです。

美容室の現場で頭を使い、スタッフさんに日報の話をしていた頭のまま、今度はパソコンに向かってコードや文章の修正内容と向き合う。一日の中で頭のモードを何度も切り替えているのが、今の自分の日常です。

分からないことを調べ、修正して解決する

最初からすぐに解決方法が分かっていたわけではありません。何が原因なのかを調べ、修正方法を探し、実際に手を動かして直していきました。

途中、「これで合っているだろうか」と不安になる場面もありましたが、少しずつ確認しながら進めた結果、最終的には問題を解決することができました。

ここでは、具体的なクライアント名や案件の詳細は書きませんが、美容師の現場 → スタッフさんの日報 → LP制作と、一日の中で複数の役割を行き来している今の自分を、そのまま残しておきたいと思いました。

最後は、早く家へ帰って飲みたかった

妻と子どもたちが帰ってくる日

8月16日は、妻と子どもたちが妻の実家から家へ帰ってくる日でもありました。

ここ数日、家族は実家に滞在していたので、家は少し静かでした。「帰ってくる」というだけで、その日の後半は少し気持ちが軽くなります。

仕事も大切だけど、家へ帰りたい日もある

この日の後半、正直に書くと、頭の中には「今日はできれば早く帰りたい」「家族が帰ってくる家でゆっくりしたい」「仕事が終わったらお酒を飲みたい」という気持ちがありました。

これを綺麗な経営学の言葉に変えるつもりはありません。仕事も大切ですが、家族が帰ってくる日は、早く帰りたい。ただ、それだけの気持ちです。

飲酒を人にすすめたいわけでもありません。ただ、こういう人間らしい気持ちも一緒に経営ログへ残しておきたいと思いました。経営は、こういう普通の生活の上に成り立っていると感じたからです。

未来の自分への経営メモ

【未来の自分への経営メモ】

・新規指名2,200円を当たり前と思わない
・料金より、なぜ自分を選んでもらうのかを考える
・次回予約までを一つの確認材料として扱う
・スタッフさんへ日報を「やれ」だけで伝えない
・日報の目的を自分の言葉で説明する
・数字を本人自身が管理できる状態を作る
・日報までを一日の仕事と考える
・自由な働き方と自己管理をセットで考える
・朝礼でうまく言えなくても、方法を変えて伝え直す
・口頭で終わらせず、文章でも残す
・現場と経営、どちらからも逃げない
・自分が売上を作る時間と、未来の仕組みを作る時間を少しずつ入れ替える
・仕事が終わったら、家族のいる家へ帰る

2026年8月16日は、美容師として2,200円の指名料をいただいて新規指名のお客様を担当し、経営者としてスタッフさんへ日報の目的を伝え直し、仕組みを作る立場として自由と自己管理の関係を話し、制作者としてクライアントLPの追加修正を解決し、そして家族の一員として家へ帰った一日でした。

現場から離れるために、今の現場を雑にするのではなく、現場で価値を作りながら少しずつ未来の仕組みを作っている。その途中の一日として、この記録を残しておきます。

【自店に置き換えて考える:価格と価値】

・追加料金をいただいているサービスは、なぜ選ばれているでしょうか?
・自分ではなくお客様目線で、その価値を説明できますか?
・価格を上げること自体が目的になっていませんか?

私自身も、まだ言葉にしきれていない部分がある問いです。

【自店に置き換えて考える:自由と自己管理】

・スタッフさんへ自由を渡す代わりに、管理項目だけ増えていませんか?
・本人自身が数字や仕事を管理できる仕組みがありますか?
・そのルールが必要な理由まで伝えていますか?

私自身も、日々整えている途中の仕組みです。

【自店に置き換えて考える:オーナーの仕事】

・今日、自分が現場でやっている仕事のうち、将来誰かへ任せたい仕事は何でしょうか?
・逆に、自分にしかできない仕事は何でしょうか?
・現場での経験を、未来の仕組みに変えられていますか?

私も、毎日この問いを自分へ向けているところです。

今の私は、まだ美容師として現場に立ちながら、未来の店を作っています。目の前のお客様へ価値を届けることも、スタッフさんが自分で仕事を管理できる仕組みを作ることも、どちらも将来自分が現場から手を離すための仕事なのだと思います。

トラ吉

現場もスタッフさんのこともLPもやっていたら、いつまでたっても経営だけに集中できないのではないでしょうか?

タカシナ カク

その可能性はあります。
だからこそ今は、ただ全部を抱えるのではなく、自分が直接やらなくても回せる仕事を一つずつ増やしている途中です。
現場に立っている今だから見えることも、未来の仕組みに使っていきたいと思っています。

うさ美

完成した姿ではなく、現場から少しずつ経営へ時間を移していく途中なんですね。
こういう一日の積み重ねも、後から大切な記録になりそうです。

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