トラ吉材料って毎月仕入れ金額が分かっているなら、それを売上で割れば原価率が分かるんじゃないですか?



私もかなりその感覚で見ていました。
でも、仕入れた材料はその月に全部使うわけではなく、在庫として残ります。
だから9月5日は、「いくら買ったか」ではなく「実際にいくら使ったか」を把握したいと思って、棚卸しの見直しを始めました。



材料原価が分かると、人件費や採用したときの利益まで計算しやすくなるんですね。
今回は2週間の検証を始めた9月5日を振り返ります。
2026年9月5日は、営業の合間や隙間の時間を使って、美容室ルコールの棚卸し・仕入れ管理を見直しました。触っていたのは、以前から用意していた技術材料と物販を分けて管理するための表です。
この日にやっていたのは、表を新しく作ることではなく、「今の表で本当にお店の材料原価が把握できるのか?」を確認する作業でした。仕入れ金額をどこに入れるのか、表の中の数字がちゃんと連動しているのか、技術在庫は現時点で約120,982円になるのではないか、といった細かい確認を一つずつ進めました。
ただ、記事の中身をExcelの使い方や棚卸しのノウハウにするつもりはありません。私が本当に知りたかったのは「ルコールの本当の材料原価率」と、その先にある会社の利益構造だったからです。
棚卸し表をきれいに作ることが目的ではありません。知りたいのは、ルコールが売上を作るために実際どれくらい材料を使い、そこから人件費を払ったあと会社にいくら残るのかです。その数字が分かって初めて、35%か37%か、新しい人を採用できるかを考えられると思いました。
9月5日は、材料原価をちゃんと把握することから始めた
仕入れ額だけでは本当の原価は分からない
今回、私が整理したかった一番大事な考え方が、「仕入れた金額」と「実際に使った材料原価」は違う、ということです。ある月に材料をたくさん仕入れれば、その月の支出は増えます。ただ、その材料を全部その月に使うわけではありません。翌月以降に残る在庫もあります。
逆に、今月ほとんど仕入れていなくても、前月までの在庫を大量に使っていれば、実際の材料使用額は大きくなる可能性があります。だから、単純に「今月の仕入れ÷今月の売上」だけでは、本当の材料原価率とはズレる可能性があります。
材料を「いくら買ったか」と、「今月いくら使ったか」は別です。今までこの2つを十分に分けて見られていなかったことに気づきました。
技術材料と物販を分ける
もう一つ大事にしたかったのが、「技術材料」と「物販商品」を分けて管理する、ということです。美容室では、カラー剤、トリートメント剤、縮毛矯正剤など、お客様への施術で使う技術材料があります。一方で、お客様へ販売するための物販商品もあります。
この2つはどちらも会社としては仕入れですが、経営を見る目的が違います。技術材料は施術売上を作るために使った原価で、物販は販売そのものに対応する仕入れです。技術原価率を知りたいのであれば、この2つは分けて見た方が分かりやすいと考えました。
「この数字、本当に合ってる?」から表を見直した
仕入れ金額はどこへ入れる?
表を作っただけでは、実際には使えません。9月5日は、そこから一段階戻って「そもそも仕入れ金額を、どのシートのどの列へ入力すればいいのか」から確認していきました。
入力場所が違うだけで、その先の集計や原価率の計算も全部ズレてしまいます。地味ですが、この最初の入り口を間違えないことが一番大事な作業でもあります。
数値が連動していないように見えた
数字を入れながら表を眺めていると、途中で「あれ、この数字と、こっちの数字、全然連動していないのでは?」と感じる場面もありました。数式そのものが間違っているのか、私の入力箇所が違うのか、その日の中でもすべてを確定できたわけではありません。
ここでは、Excelや数式を責める記事にはしたくありません。大事なのは、管理表を作っただけで安心せず、実際の数字を入れて「本当に使える表になっているか」を確認したことです。設定しただけでは運用にならない、というのは、少し前に勤怠システムでも感じたばかりでした。
技術在庫は120,982円ではないか
数字の確認の中で、現時点の管理表上の技術在庫は約120,982円になるのではないか、というところまで確認しました。ただ、この120,982円が最終的に会計上確定した棚卸資産の金額、というわけではありません。あくまで、管理表上の数字と手元の感覚を照合している段階です。
表に数字が出ていることより、その数字を見て「これって本当に合っている?」と自分で考えられることの方が大切だと思いました。



Excelで自動計算されているなら、その数字をそのまま使えばいいのではないでしょうか?



計算式が合っていて、入力も全部正しければそうだと思います。
でも入力場所や数式が間違っていたら、きれいな数字でも間違っています。
だから私は、表の数字と実際のお店の感覚が大きくズレていないかは自分でも見ておきたいです。
最初から完璧にせず、9月5日から約2週間だけ試す
まず見たいのは3つの数字
9月5日の中で、経営判断としては小さくない決め方をしたのが、「最初から完璧な年間管理を作らない」ということでした。まずは9月5日から約2週間、区切って動きを追ってみることにしました。
この2週間で確認したいのは、大きく分けて次の項目です。
- 期間の開始時点の技術在庫
- 期間中に仕入れた技術材料の金額
- 期間の終了時点の技術在庫
- 同じ期間中の技術売上
いきなり「12か月きっちり」ではなく、まず短い期間で回してみる。数字の作り方も、管理の方法も、続けられるかどうかも、この期間で見ておきたいと思いました。
まず「運用できるか」を見る
2週間にしたのは、正確な年間決算を作りたいからではありません。今の管理方法で、在庫を追えるのか、仕入れを入力できるのか、数字が連動するのか、実際の使用材料を把握できそうか。まずそこを確認したかったからです。
最初から1年分の完璧な原価管理を作るのではなく、まず9月5日から約2週間だけ実際に在庫と仕入れを追ってみます。数字を作ることより、「この方法なら続けられるか」を確認する方が先だと思ったからです。
この2週間で知りたいのは「本当の材料原価率」
開始在庫+仕入れ−終了在庫
もう少しだけ、計算の考え方を書いておきます。実際にその期間で使った材料は、ざっくり次のように見ることができます。
【期間中の材料使用額の考え方】
開始時点の在庫
+ 期間中に仕入れた金額
− 終了時点の在庫
= その期間に実際に使った材料の金額
これを期間中の売上と比べれば、売上に対して実際に何%を材料で使っているのかが、今より具体的に見えるはずです。もちろん、税務や会計上の正式な処理まで語るつもりはありません。あくまで、経営判断に使うための材料原価の見方としての整理です。
原価を知るのは節約のためではない
ここは誤解のないように書いておきたいところです。今回、材料原価をわざわざ調べようとしているのは、「カラー剤をもっと節約したい」「スタッフさんに材料を使わせたくない」からではありません。
必要な材料は、お客様へ良い施術をするために、きちんと使う必要があります。原価を知る目的は、材料をケチることではありません。必要なお金をきちんと使ったうえで、会社にいくら残るのかを知るためです。
材料原価を知ると、人件費35%・37%が見えてくる
歩合率だけでは判断できない
最近、スタッフさんの歩合について、既存スタッフさんは37%を維持しながら、今後新しく採用する場合には35%を軸に検討したい、という話を書いていました。9月4日にも、この2%の違いを考えたばかりです。
ただ、人件費の割合だけを見て「37%は高い」「35%なら安全」とは、正直、決められません。売上の中には材料原価もあれば、社会保険、家賃、広告、システム、その他の経費もあります。全部を差し引いたあとに、会社にいくら残るのか。そこまで見て、初めて判断できます。
会社にいくら残るかを見る
だから、「35%と37%のどちらか」を先に決めるより、まず材料原価の実態を知りたい。その材料原価を差し引いたあとで、人件費として払える金額、会社に残せる金額を計算したい。
35%か37%かを決める前に、そもそも材料原価が何%で、売上80万円を作ったスタッフさん一人から会社にいくら残るのかを知らなければ、人件費だけを見ても答えは出せないと思いました。
スタッフさん1人の生産性は月80万円で考えたい
80万円は今後のシミュレーション基準
今後の人員計画を考えるうえで、私はスタッフさん1人あたり月80万円の売上を、一つのシミュレーション基準として置いています。これは「全員が必ず80万円を売る」というノルマではありません。あくまで、採用や利益の試算を進めるための目安の数字です。
この80万円という売上に対して、材料原価が何%なのか、人件費が何%なのか、社会保険や固定費はどのくらいかかっているのか。ここが見えてくると、1人採用するときの会社側の見え方が、「売上が増える」から「利益が増える/減る」まで踏み込めるようになります。
1人増えたときに会社利益がいくら増えるか
ここまでの話をまとめると、私が最終的に知りたい数字のつながりは、次のようになります。
【知りたい数字のつながり】
材料在庫
↓
材料使用額
↓
材料原価率
↓
粗利益
↓
人件費35%/37%
↓
スタッフさん1人80万円売上時の会社利益
↓
新規採用の判断
棚卸し表は、この一番上にあるだけです。ここの数字が曖昧だと、下の段の数字も全部ぼんやりします。逆に、上を一度ちゃんと測っておけば、その下の判断は今よりずっと具体的にできるはずです。
在庫表を作ることをゴールにしない
Excelは手段
Excelを作る、棚卸しをする、仕入れを入力する、原価率を出す。これらは全部、手段です。もし、きれいな管理表が完成しても、その数字を経営判断へ使わなければ意味がありません。
私が知りたいのは、会社にいくら残るのか、何人まで雇えるのか、スタッフさんへどこまで払えるのか、自分が現場から離れても利益が残るのか、といったことです。
スタッフさんへ還元できる会社にする
人件費35%案、材料原価管理。こういう言葉が並ぶと、「スタッフさんへ払うお金を減らして、会社利益を増やしたい」ように見えてしまうかもしれません。ただ、今回考えているのはその方向ではありません。
会社に利益が残らなければ、給与も、社会保険も、採用も、広告も、教育も、賞与も、スタッフさんへの還元も、続けられません。会社利益をきちんと把握したうえで、その利益をスタッフさんへ返せる状態を作りたい、というのが今の考えです。
在庫表を完成させることがゴールではありません。その数字を使って、「この会社は人を増やしても利益が残るのか」「スタッフさんへどこまで還元できるのか」を判断できるようになることがゴールです。



材料原価が数%違うだけなら、そこまで細かく在庫まで追わなくてもいいのではないでしょうか?



今の規模なら、それでも何となく経営できるかもしれません。
でも人を増やし、売上を大きくしていくなら、数%の違いも金額として大きくなります。
だから私は、今の小さいうちに「だいたい」から抜けておきたいと思っています。
小さい今のうちに「だいたい経営」から少し離れる
今までは感覚でも回せた
現在のルコールは、大人数の美容室ではありません。だから、細かい原価管理をしなくても、これまではなんとか経営できてきました。「だいたいこれくらい使っているはず」「たぶん今月は残っているはず」で、何となく成り立っていたのも正直なところです。
ただ、これからスタッフさんを増やしたい、売上を伸ばしたい、自分の現場売上への依存を減らしたい、と考えるのであれば、「なんとなく」のままでは難しくなります。人が増えてから「思っていたより利益が残らない」と気づくより、今のうちに数字を確認しておきたいです。
まず2週間の事実を見る
ここ数日の経営ログの流れとしても、少しつながっている気がします。9月2日は売上や勤怠を見える形に、9月3日は勤怠を実際に使える形に、9月4日は人を増やす前に労務や人件費を整える。9月5日は、そこからさらに一歩踏み込んで、材料原価まで含めた利益構造を見にいくことにした一日でした。
【自店に置き換えて考える】もいくつか残しておきます。
【自店に置き換えて考える】
◆材料原価
・毎月の仕入額を、そのまま材料原価だと思っていませんか?
・前月から残っている在庫を把握していますか?
・技術材料と物販の仕入れが混ざっていませんか?
◆人件費
・歩合率だけで高い/安いを判断していませんか?
・材料費や社会保険を引いたあと、会社にいくら残るかまで見ていますか?
・スタッフさん1人が増えたとき、売上ではなく利益がいくら増えるか分かりますか?
◆管理
・管理表を作ること自体が目的になっていませんか?
・その数字を何の判断に使うのか決まっていますか?
・最初から完璧を目指して、運用の開始が遅れていませんか?
未来の自分への経営メモ
最後に、9月5日の一日を、未来の自分への経営メモとして残しておきます。
【未来の自分への経営メモ】
・仕入れ額と材料使用額を分けて見る
・技術材料と物販を分けて管理する
・開始在庫を把握する
・仕入れをきちんと入力する
・終了在庫を確認する
・数字が自動表示されたから正しいと思わない
・実際の在庫感覚と比べる
・入力箇所が合っているか確認する
・数式や連動が機能しているか見る
・120,982円は確認途中の技術在庫として扱う
・最初から完璧な年間管理を作らない
・まず約2週間試す
・続けられる管理方法かを見る
・問題が出たら修正する
・本当の技術材料原価率を知る
・原価を知る=材料をケチる、ではない
・必要な材料はきちんと使う
・材料原価率から粗利益を見る
・人件費だけを単独で見ない
・35%/37%を原価とセットで考える
・既存スタッフさんの37%を安易に変えない
・新規35%案はまだ検討段階
・スタッフさん1人80万円売上をシミュレーション基準にする
・売上80万円と会社利益を混同しない
・1人採用したとき会社に何円残るかを見る
・採用人数だけを増やさない
・利益が残る採用にする
・会社利益をスタッフさんへの還元にもつなげる
・表を作ることを仕事のゴールにしない
・数字を経営判断に使う
9月5日からまず2週間、在庫・仕入れ・実際に使った材料の動きを見てみます。その数字が取れれば、スタッフさん1人が月80万円売ったときに、35%・37%の人件費で会社へいくら残るのかも今より具体的に考えられます。人を増やす前に、まず自分の会社のお金の流れをちゃんと知るところから始めます。



そこまで数字を細かく見始めると、材料を使うたびに気になって、スタッフさんにも細かく言いたくならないですか?



そのための管理にはしたくありません。
必要な材料は、お客様へ良い施術をするためにきちんと使うべきだと思っています。
私が知りたいのは、「使うな」ではなく「実際にいくら使って、その結果会社にいくら残っているのか」です。



節約のための原価管理ではなく、会社の利益構造を知るためなんですね。
2週間後に実際の数字が見えてくると、採用や給与の考え方もまた変わりそうですね。
