スタッフさんに伝えすぎて、私が疲れていた。「大枠が合っていればいい」と考え直した日

トラ吉

スタッフさんのためになると思ったことなら、気づいたことを全部伝えた方が親切ではないでしょうか?
言わずに任せるのは、育成を諦めることになりませんか?

タカシナ カク

私もずっとそう思っていました。
でも最近、「本人のため」と思って伝えることが増えるほど、私自身がかなり疲れていることにも気づきました。
スタッフさんも大人なので、全部を私の考え通りに直そうとしなくてもいいのかもしれません。

うさ美

何も言わなくなるのではなく、どこまで見るのかを変えるんですね。
8月30日は、スタッフさんとの距離感を少し考え直した一日でした。

2026年8月30日は、大きな出来事があった日ではありません。前日の8月28日にスタッフさんのことでかなり気持ちを持っていかれ、8月29日を経て、8月30日はもう少し引いた場所からその問題を考えるようになりました。

最近の私は、スタッフさんに対して「こうした方が本人のためになる」「この方が売上につながる」「お客様にも良い」と思って、細かい部分まで伝えることが増えていました。悪意はありません。むしろ本人のため、お客様のため、お店のためという気持ちからです。

ただ、その関わり方で、自分自身がかなり精神的に消耗している。8月30日は、そのことに正直に向き合った日でした。同時にちょうど、お直し・クレーム対応のマニュアルも見直していて、スタッフさん本人へ責任を返す部分と、会社として管理し続ける部分をどう分けるかも考えていました。

スタッフさんのためと思って細かく伝え続けていましたが、その関わり方で私自身がかなり疲れていました。スタッフさんも大人です。会社として守ってほしい大枠は伝える。でも、それ以外まで全部私の正解に合わせようとしない。8月30日は、そんなマネジメントの距離感を考え直した一日でした。

目次

スタッフさんのことで、また精神的に疲れていた

「本人のため」と思って伝えている

私はスタッフさんに対して、もっと良くなってほしい、もっと稼げるようになってほしい、お客様から支持されてほしい、仕事で困らないようになってほしいという気持ちがあります。だから気になることがあれば伝えます。

ここに悪意はまったくありません。本人のため、お客様のため、お店のためという善意から出ている言葉です。ただ、経営者が「本人のためだから」と思えば、どこまででも口を出せてしまうのも事実です。

例えば、私が気になりやすいのは次のようなところです。

【私が細かく口を出しがちだった項目】
・仕事の進め方
・考え方
・接客の細部
・数字への向き合い方
・お客様との関わり
・今後のキャリア

でも相手が望んでいるとは限らない

8月30日は、こう考えました。「本人からすると、そこまで言われたくないこともあるのではないか」と。自分が良かれと思って伝えていることが、相手には余計なお世話に感じられる可能性もあるのだと思います。

これはスタッフさんが悪いという話ではありません。ただ、「本人のため」という言葉は便利で、それを理由にどこまででも口を出していいわけではないと感じました。

今回のやり取りの中では、伝えた内容に対して、私が期待していた受け取り方とは少し違うのかもしれないと感じる場面もありました。ここを「反発された」「言うことを聞かなかった」と断定するつもりはありません。あくまで私自身が「これ以上細かく言っても、お互い疲れるだけかもしれない」と感じた、というところまでです。

関われば関わるほど自分も疲れる

スタッフさんに「ここを直した方がいい」「こう考えた方がいい」と伝えるとき、私は同時に、どう伝えるかを考え、相手の反応を見て、理解してもらえたか気にして、また同じことが起きたら落ち込み、もう一度説明する、ということを繰り返しています。

細かく関われば関わるほど、自分自身の判断仕事も増えます。そして精神的にも消耗していきます。前日の8月28日から続いていた「気持ちが削られる感じ」は、実はスタッフさんの言動そのものだけでなく、自分の関わり方の量にも原因があったのかもしれません。

スタッフさんも大人。全部を私が教える必要はない

会社として伝えること

もちろん、何も言わないという話ではありません。会社として伝えるべきことは、はっきり伝える必要があります。してほしい仕事、守ってほしいルール、お客様への責任、雇用上必要なこと。ここは経営者として絶対に外せません。

ここが曖昧なままだと、スタッフさん本人も何を基準に働いていいのか分からなくなります。会社として大枠を明確にしておくことは、むしろ本人が安心して働くための土台だと思っています。

本人が選ぶこと

一方で、その先にある「どういう美容師になりたいか」「どこまで売上を作りたいか」「どういうやり方で成長したいか」まで、全部私が決める必要はないと思うようになりました。その人の人生や仕事は、その人自身のものです。

スタッフさんは子どもではなく、社会人として働いている大人です。本人なりの考えがあり、本人なりのペースがあります。私と全く同じ答えに揃える必要はないと、8月30日ははっきり思いました。

「本人のため」を口出しの理由にしない

スタッフさんも一人の大人です。会社として必要なことは伝える。でも、その人の仕事の細かい部分や人生まで、私が全部正そうとする必要はないのだと思いました。

「本人のため」という言葉が悪いのではありません。ただ、それを言い訳にして、実は自分の好みや自分のやり方を押しつけていないか。ここは経営者自身が一度立ち止まって考える必要があると感じました。

トラ吉

細かいことを言わなくなったら、仕事の質が落ちたり、スタッフさんが好き勝手にすることはありませんか?

タカシナ カク

何でも自由にするつもりはありません。
会社として守るべきルールや、お客様への責任は必要です。
ただ、その大枠さえ守れているなら、細かいやり方まで私と同じでなくてもいいのではないかと考えるようになりました。

これからは「大枠が合っているか」を見る

お願いした仕事をしているか

口を出す量を減らすなら、その代わりに経営者として見る基準を明確にする必要があります。全部自由、放任、ではありません。

まず基本として、会社からお願いしている仕事をきちんと行っているか。ここは会社として当然確認すべき部分です。頼んだ業務が回っていない、店のルールが守られていない、という状態を放置するのは、放任とは違う「無責任」だと思います。

お客様への責任

次に、お客様への責任を果たせているか。担当したお客様に対して、担当者として最後まで責任を持てているか。ここは、細かい接客の言葉遣いを毎回チェックする、という意味ではありません。

お客様が困っていないか、お客様に大きな不利益が出ていないか、という大枠での責任です。細部の接客スタイルは本人の個性でもあります。そこまで自分の型に統一しようとしないと決めました。

リピートや数字という結果

もう一つ大切なのが、結果として数字に表れている部分です。リピートのお客様がきちんと積み上がっているかは、美容室の仕事では一つの分かりやすい指標だと思います。

接客や提案の細部に毎回口を出さなくても、「またこの人にお願いしたい」と思ってくださるお客様が増えているなら、本人なりの方法が機能している可能性があります。逆にリピートが極端に低いなど結果に問題が出ているなら、そのときは一緒に原因を考える必要があります。

ただし、リピート率という数字だけでスタッフさんの人格を評価するつもりはありません。数字はあくまで、大枠を見るための一つの材料です。

全部の行動を自分の正解に合わせるのではなく、大枠として会社・お客様・本人の結果に問題がないかを見る。その方が、今の私には健全なマネジメントなのかもしれません。

【自店に置き換えて考える:伝えすぎ】

・「本人のため」と思って、細かいことまで伝えすぎていませんか?
・それは会社として本当に必要なことですか?
・単に自分のやり方と違うだけではありませんか?

ちょうど、お直し・クレーム対応マニュアルも見直していた

担当したお客様には担当者として責任を持つ

8月30日は、過去に作った「お直し・クレーム・返金要求への対応手順」のマニュアルも見直していました。実際に新しいクレームが発生したわけではありません。マニュアルそのものの整理です。

今回改めて考えたのは、「お直しが発生したとき、誰がどこまで考えるのか」という点でした。私は、担当したお客様については、担当したスタイリストさん本人にも責任を持って対応を考えてほしいと思っています。

まず本人が対応案を考える

お直しの連絡があったとき、すぐにオーナーである私が「この日、この時間に対応してください」と全部決めてしまう、というやり方はやめようと考えました。それを続けると、本人は「オーナーに任せておけばいい」となり、責任の所在も曖昧になります。

まずは担当した本人が、どのように対応するか、最短でどの時間なら可能か、自分としてどう責任を持つか、を一度考える。そして店へ報告する。本人がまず考える、その次に会社が受け止めて判断する。この順番を大事にしたいと思いました。

営業時間外や休日対応は事前報告

お直しは、営業時間内で対応できるならそれが基本です。ただ、どうしても営業時間内で難しい場合もあります。その場合、担当したスタッフさん本人が「自分ならどう対応するか」を考えること自体はあってよいと思っています。

ただし、スタッフさん個人の判断だけで、休日出勤や営業時間外勤務を勝手に確定してしまう、というルールにはしません。必ず実施前に店へ報告してもらう形にします。

責任と勤怠管理は分ける

「担当者として責任を持つ」ことと、「勤務時間まで自己判断で自由に変える」ことは別です。ここを混同すると、本人が善意でサービス残業を積み重ねてしまうことにもなりかねません。それは会社としても本人としても健全ではないと思います。

会社として、勤怠や労務管理は別で行う。責任と労務は別のラインで管理する。この線引きを明確にしておくことにしました。

うさ美

お客様への責任は本人に返しながら、勤務時間は会社がきちんと管理するんですね。

タカシナ カク

はい。
責任を返すことと、労務を本人任せにすることを混同しないようにしたいんです。
本人には考えてもらう。でも会社として守るべき勤怠管理は、店側の仕事として残す。そこを分けたいと思いました。

「全部オーナーが決める」でも「全部本人任せ」でもない

本人へ返す責任

お直し対応のマニュアル見直しをしている中で、ちょうど8月30日に考えていた「どこまで本人へ任せるか」が、より具体的になりました。

担当したお客様への対応は、本人がまず考える。営業時間外や休日対応が必要なら、本人から提案する。本人に責任を返しながら、会社が管理するべきものは会社が管理する。この二つを両立させる形です。

会社が管理する責任

逆に、会社としての勤務時間や労務管理は、店側が把握し管理し続けます。ここまで本人任せにしてしまうと、雇用主としての責任を放棄することになります。

つまり、全部オーナーが決めるでもなく、全部本人任せでもない。任せることと放置することは違います。本人が考える余地を残しながら、会社として守るべきところは店側が見る。その境界線を作る必要があると思いました。

一緒に考える部分

そのうえで、結果に問題が出たとき、お客様トラブルがあったとき、店全体へ影響しそうなとき、本人から相談があったときには、一緒に考える。普段は任せていても、問題が出たときは一緒に考える。この関わり方を残しておきたいと思っています。

【責任の三分類(8月30日時点の整理)】

◆会社として管理する
・ルール、勤務管理、給与
・お客様を守る仕組み
・店全体の運営

◆スタッフさん本人が持つ
・担当したお客様への対応
・自分の技術と接客
・自分の売上とリピート
・問題が起きたときの対応案

◆一緒に考える
・結果が出ないとき
・お客様トラブル
・店全体へ影響するとき
・本人から相談があったとき

これはまだ、8月30日時点で正式に運用が定着した制度ではありません。今回の気づきを分かりやすくするための整理です。実際に回してみて、また微調整していくことになると思います。

現場から手を離すなら、頭の中からも少し離れないといけない

細部まで見れば仕事は減らない

私は今、少しずつ現場から手を離していきたいと考えています。ただ、いくら現場のシフトを減らしても、スタッフさんの細かい行動まで毎回私が気にしていたら、体は店から離れても頭はずっと現場に残ります。

現場手離れは、シフト表の話だけではないのだと今回気づきました。細部まで見ている限り、判断仕事はいつまでも自分に集まり続けます。

「何を見ないか」を決める

経営者として「何を見るか」は、これまでよく考えてきました。でも8月30日は、「何を見ないか」も決める必要があるのではないかと思いました。

会社として必要なこと、お客様に大きな不利益が出ること、売上・リピートなどの結果、労務・勤怠・ルール。これらは見る。一方で、本人なりの細かい仕事の進め方や、自分と少し違う考え方は、大枠に影響しなければ受け入れる。

「何を管理するか」だけではなく、「どこから先は本人へ任せるか」を決めないと、経営者の仕事はいつまでも減らないと思いました。

現場から手を離したいのに、スタッフさんの細かい行動まで毎回私が気にしていたら、体は店から離れても頭はずっと現場に残ります。私自身が見なくてもいいところを、少しずつ手放す必要があると思いました。

「これは会社の問題?それとも私の好み?」と一度考える

お客様や店全体への影響で判断する

これから何かが気になったとき、伝える前に一度自分に問いかけたいと思います。「これは会社として問題なのか。それとも、単に自分の好みと違うだけなのか」と。

お客様に大きな影響がある、店全体の運営に影響する、雇用として問題がある。こういう場合は当然伝えます。でも、「私ならこうする」と「本人がこうしている」が違うだけで、大枠に問題がないなら、口を出さないという選択もあっていい。

トラ吉

でも、気になることが見えているのに言わないのは、経営者として無責任ではないでしょうか?

タカシナ カク

お客様や会社へ大きな影響があるなら、もちろん伝えます。
ただ、自分と違うという理由だけで全部直す必要はないと思っています。
「会社として問題なのか」「単に私の好みと違うだけなのか」を分けることも必要だと感じました。

【自店に置き換えて考える:責任の線引き】

・スタッフさん本人が考えるべきことまで、オーナーが答えを出していませんか?
・逆に会社が管理すべき勤怠まで、本人任せになっていませんか?
・誰が何に責任を持つのか、分けられていますか?

未来の自分への経営メモ

8月30日は、スタッフさんを諦める日でも、完全に放任へ切り替える日でもありませんでした。スタッフさんとの距離を、少しだけ変えようと思った日です。まだ試行錯誤の途中です。うまくいくかも分かりません。

それでも、自分が精神的に削られ続けるマネジメントを続けていても、店にとってもスタッフさんにとっても長続きしません。まずはこの距離感を試してみたいと思っています。

【未来の自分への経営メモ】

・「本人のため」で全部口を出さない
・スタッフさんも一人の大人
・本人の人生まで経営者が決めない
・会社として必要なことは明確に伝える
・お客様への責任は見る
・依頼した仕事が行われているかを見る
・数字・リピートなど結果も見る
・結果だけで人格評価しない
・細かいやり方は必要以上に統一しない
・自分と違う=間違い、にしない
・会社として問題なのか、自分の好みなのか分ける
・大枠が合っていれば任せる
・問題が出たときは一緒に考える
・お直し対応は担当者本人にも考えてもらう
・担当したお客様への責任を本人へ返す
・休日/営業時間外対応は勝手に確定させない
・勤怠は会社として管理する
・責任と労務管理を混同しない
・「全部オーナー判断」を減らす
・「全部本人任せ」にもしない
・自分が精神的に削られ続けるマネジメントを見直す
・現場から手を離すなら、細かい判断からも少しずつ離れる
・何を見るかだけでなく、何を見ないかも決める

スタッフさんに何も言わなくなるわけではありません。会社として必要なことは伝えるし、お客様や数字に問題が出れば一緒に考えます。ただ、細かいところまで全部私の正解に合わせるのはやめたい。「大枠が合っていればいい」と少し距離を取ることも、長く一緒に働くために必要なのかもしれません。

トラ吉

口を出すのを減らして、本当にスタッフさんが成長するのでしょうか?

タカシナ カク

そこはまだ分かりません。
でも、私が何でも答えを出し続けることが成長につながるとも限らないと思っています。
守るべき大枠は伝えて、それ以外は本人が考える。結果に問題があれば、そのとき一緒に考える。まずはその距離感を試してみたいです。

うさ美

育成をやめるのではなく、関わり方を変えるんですね。
オーナー自身が疲れ切らずに続けられることも、組織づくりには必要そうです。

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